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富士フイルム、米国高純度溶剤メーカーを買収:半導体材料事業拡大へ積極投資
富士フイルムは2015年10月1日、半導体製造などに用いる高純度溶剤メーカーである米Ultra Pure Solutionsを買収すると発表した。
「高純度な溶剤を安定的に製造」
富士フイルムは2015年10月1日、半導体製造などに用いる高純度溶剤メーカーである米国のUltra Pure Solutions(以下、UPS)を買収すると発表した。半導体材料事業強化策の一環として、年内にも買収手続きを完了させる。
UPSは、半導体用フォトレジストの生産や、電子回路を形成した半導体シリコンウエハーの洗浄など半導体製造工程で使用される溶剤の製造/販売会社。「高純度な溶剤を安定的に製造できる業界トップクラスの精製技術を備える」(富士フイルム)とし、米国カリフォルニア州とテキサス州に製造拠点を持つ。設立は1998年で、米国の大手半導体メーカーや化学メーカーを顧客に持つ。
溶剤分野で米国の顧客基盤を獲得へ
富士フイルムは、半導体材料事業として、フォトレジストや現像液、洗浄液、CMPスラリーなどとともに高純度溶剤も手掛けてきた。富士フイルムでは「今回の買収により、UPSの高純度溶剤を中心とした幅広い製品ラインアップ、製造設備および、有力顧客基盤を獲得することで、半導体材料事業を拡大していく」と説明している。
買収は、富士フイルムの半導体材料製造販売子会社FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.(FEUS)を通じて実施し、買収完了後はUPSはFEUSの完全子会社として事業を行う予定だ。
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