インフィニオン、2015年度売上高は前年比34%増:IRの買収が早くも功を奏す(3/3 ページ)
Infineon Technologiesが2015年度(2015年9月期)の業績を発表した。それによると、売上高は前年比34%増の57億9500万ユーロ。2015年1月に買収が完了したInternational Rectifier(IR)が、早くも利益に貢献しているとする。さらに、自動運転なども追い風となっている。
NXP/Freescaleの合併
車載半導体市場でルネサスに次ぐ地位に立っているInfineonだが、同市場では大きな動きがあった。2015年12月8日(オランダ時間/米国時間)に、NXP SemiconductorsとFreescale Semiconductorの合併が完了したのだ*)。これにより、世界シェアでは新生NXPがInfineonを抜くことになった。それについては森氏は、確かにシェアは抜かれるとしながらも、「差はそれほどない上に、ターゲットとしている分野もやや異なる。当社は車載向けとしてマイコン、センサー、パワー製品をそろえていて、中でもパワー製品は強いので、EVの分野で高い成長率を狙えると考えている」と述べた。
*)関連記事:NXPとFreescaleの合併が完了
解析ラボを移設
併せて、インフィニオンテクノロジーズジャパンは2015年12月8日、東京本社(品川区)にあった解析ラボを、IRジャパンの解析ラボと統合して移設したと発表した。移設先は本社から徒歩6分の場所にあり、従来の解析ラボに比べて、面積は5倍、解析業務を行う人員は2倍となった。この解析ラボでは、顧客から依頼されたInfineon製品の不良品解析を行う。超音波やX線を用いたICパッケージの内部解析や、リーク電流などの電気的特性の検査、パッケージの樹脂を溶かして行う開封解析などの検査が可能だ。
同社の品質マネジメント本部 本部長を務める高澤正行氏によると、不良品の解析依頼は月に平均で100件ほどあるという。その全てにおいて、24時間以内に解析をスタートし、解析結果の第一報を顧客に知らせる。解析ラボの移設に伴い、レーザーでICパッケージの樹脂を蒸発させて開封する装置(レーザーオープナー)などを新規に導入した。IRジャパンが所有していた検査装置などと統合し、検査の作業効率を高めることで、不良品解析をより短時間で効率よく行うことを目指す。
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