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「Synergy」の開発事例を展示――ルネサス:RZファミリや、R-IN+人工知能も(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、2015年12月10日開催したプライベート展「Renesas DevCon Japan 2015」で、同社の「Synergyプラットフォーム」を活用したソリューションや、ゆがみ補正エンジンを搭載した画像認識など、多数のデモを展示した。
ゆがみ補正による画像認識
次に紹介するのは、マイコン「RZ/A1」シリーズを活用したデモだ*)。ルネサスが自動車分野で培った技術を生かしたゆがみ補正エンジン「IMR」(Image Renderer)が搭載され、斜め視点や回転などで変形した入力画像を補正できる。10MバイトのRAMと400MHzのCPUを内蔵し、エッジデバイス側でIMR補正後の認識処理も可能である。
*)関連記事:ルネサスが“ARM搭載マイコン”の第1弾製品「RZファミリ」を発売
動画が取得できませんでした
「RZ/A1」を活用したデモ。QRコードを回転させたとしても、ゆがみ補正エンジン(IMR)によって、入力画像を補正してくれている様子が分かる。
人物を認識して、リアルタイムに広告動画を表示
最後に紹介するのは、マイコン「RZ/G」シリーズを活用したデモである*)。RZ/Gは、フルHDに対応する動画コーデックIPに加えて、3Dグラフィック表示機能を搭載。複数の動画処理や顔認識などの処理をリアルタイムに行うことを可能にする。
*)関連記事:UIの表現力向上で機器の新たな価値を創造、ルネサスのHMI用ASSP
デモでは、NECが開発した人物の性別や年齢層などを自動推定するシステム「FieldAnalyst」とRZ/Gを組み合わせたサイネージが展示されていた。推定した人物の性別と年齢に応じて、表示される広告動画がリアルタイムに変わる様子が見られた。
「RZ/G」と人物の性別や年齢層などを自動推定する「FieldAnalyst」を組み合わせたサイネージのデモ。認識した人物の年齢や性別に応じて表示される広告動画が変わる様子が見られた (クリックで拡大)
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