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「半導体メーカーとの連携不可欠」――TDK:QualcommのIP利用でもメリットが(2/2 ページ)
TDKは、Qualcommとの合弁会社「RF360 Holdings Singapore(以下、RF360 Holdings)」を設立した背景について説明会を開催。同社社長の上釜健宏氏は、「半導体メーカーとの連携が不可欠」と語った。ただ、やはり合弁会社設立に対する疑問の声や懸念事項もあるようだ。
QualcommのIP利用でもメリットが
RF360 Holdingsで手掛けることになるSAWフィルタやBAW(バルク弾性波)、デュプレクサ以外にも、TDKとQualcommは電池や非接触給電、センサー、MEMSの分野で協業関係を結ぶ。この狙いとしては、「スマートフォンに対する依存度を下げること」(上釜氏)があるという。さらに、これらの分野におけるQualcommのIP(Intellectual Property)も、有利な条件で使用できるようになるメリットがあるようだ。
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積極的な投資
ここ最近、TDKは積極的に動いている。2015年11月には、ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)の“懸案事項”でもあった鶴岡工場(山形県鶴岡市)を買収*)。同年12月には、ホール素子センサーを手掛けるスイスMicronas Semiconductor(ミクロナス)を買収すると発表した他、Trigence Semiconductorにもインテルキャピタルおよび産業革新機構と共同で出資した。上釜氏は、「成長投資として、今後3年間で3500億〜4000億円を考えている。ルネサス鶴岡工場やミクロナスの買収で561億円を使用したが、今後も、成長戦略に見合う案件であれば積極的にM&Aの活動も継続していく」と語った。
*)関連記事:ルネサス、鶴岡工場をTDKに譲渡へ
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