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非接触で心拍間隔を計測、ミリ波レーダーでパナソニックと京都大学が共同で開発(2/2 ページ)

パナソニックは2016年1月20日、京都大学の「Center of Innovation(COI)」と共同で、非接触で心拍間隔を計測する生体情報センシング技術の開発に成功したと発表した。スペクトラム拡散ミリ波レーダーを用いて、心電計相当の精度で心拍間隔をリアルタイムに計測できるという。

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自律神経の状態推定も可能

 京都大学は今回、レーダー信号の中の心拍信号について位相特長点を抽出。特徴点の時系列パターンから数学的に心拍測定を推定する独自のアルゴリズムを開発した。これにより、レーダー信号から呼吸と心拍信号を分離して、平均心拍数だけでなく、リアルタイムで心拍間隔まで測定することを可能にしたという。心拍間隔が分かることによって、その変動から自律神経の状態測定を行うことも可能だ。心電計とレーダーによる心拍間隔の相関係数は0.993となり、精度面は心電計に相当するとしている。


京都大学が開発した特長点ベースの心拍推定技術 (クリックで拡大) 出典:パナソニック、京都大学

心電計とレーダーによる心拍間隔の相関係数は0.993となっている。つまり、レーダー信号から推定した心拍間隔は、心電計の精度に相当することを意味している (クリックで拡大) 出典:パナソニック、京都大学

「誰もが安心できる“ほっこり社会”へ」


京都大学大学院 情報学研究科 通信情報システム専攻で教授を務める佐藤亨氏 (クリックで拡大)

 同研究は、現行のセンサーシステムは小型化されてはいるが、多くのセンサーは身体に接触/装着する必要があり、測定時にストレスを感じさせない生体情報センシングが求められていたことから始まった。非接触の生体センシングも一部発表されてはいるが、「今提案されている非接触の生体センシングは、ベッドなどに固定して貼りつける形で、対象が“動かない”状態でなければ、センシングが難しい。ミリ波レーダーであれば、対象が動いていたとしても計測が可能になる」(パナソニック)としている。

 パナソニックは、「今後、同センシング技術の実証実験を行い、得られた生体情報を用いた健康管理/アドバイスなどの応用システム構築することで、誰もがほっこりと安心して暮らすことができる社会の実現を目指す。」と語る。「実用化に関しては、2020〜2030年の間に家庭への導入を目指したい」(パナソニック)とした。


パナソニックの基盤技術研究部で主席研究員の務める酒井啓之氏 (クリックで拡大)

 なお、同研究は、科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援における「活力ある生涯のためのLast 5X イノベーション拠点」の事業/研究プロジェクトによる成果である。

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