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伝送速度1Tbpsを実現する光通信技術、従来比10倍:既設の光ファイバー網を活用可能(2/2 ページ)
三菱電機は2016年2月、光ファイバー通信において、1組の送受信器で伝送速度1Tビット/秒を実現する光送受信技術を開発したと発表した。周波数利用効率は9.2ビット/秒/Hzを実証したという。同社によると、2016年1月時点で「世界最高」の周波数利用効率である。
目印となるパイロット信号をあらかじめ挿入
次にデータの損傷を防止する「パイロット信号」について説明する。基本的な光信号受信は、受信器の持つ波と受信した波が重なる部分を「1」、重なっていない部分を「0」にしてデジタル信号伝送している。しかし、受信する波のタイミングがずれた場合、重なり具合から推定するため信号を正しく判断できず、データの損傷が発生してしまう。
同社は今回、パイロット信号による受信タイミング補正を行う技術を開発したことで、データの受信タイミングによるズレを防いだ。この補正技術は、送信器における11本の整列したサブキャリアに、目印となるパイロット信号を同じタイミングで挿入する。受信するサブキャリアの波のタイミングがずれてしまったとしても、パイロット信号があることで、受信器側で正確に補正できる仕組みである。これにより、データの損傷を防止し、伝送速度1Tbpsの受信を可能にしたとしている。
2020年以降に実用化
同社によると、「これらの技術は基礎的な技術は確立されているが、今後は実用化に向けて信号処理の開発を進めていく」という。実用化は、2020年以降になるとした。
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