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多層印刷によるTFT素子への適用事例も初公開:DICのプリンテッドエレクトロニクス用インク(2/2 ページ)
DICは、「第26回 ファインテック ジャパン」で、各種印刷システムに適合するプリンテッドエレクトロニクス用インクを紹介した。TFT素子への適用事例も初めて会場で公開した。
金属メッキ膜と基材の密着力高める
これとは別に展示ブースでは、銀ナノ粒子材料/高分子密着層の技術についても紹介した。PPS(Polyphenylene Sulfide)基材に高分子密着層を塗布した後に、銀ナノ粒子層を形成し、その後に銅めっきを施したパイプなどを展示した。銅めっき膜厚を50μmにした時のピール強度を測定したところ、0.63kN/mとなった。この数値により、従来の粗化処理法やスパッタ法で形成しためっき膜に比べて、密着力が極めて高いことが分かった。
開発した技術は、配線板用基板や電磁波シールド材料などに向ける。「車載機器では、ECUユニットのハウジングや配線ケーブルなどで電磁波シールドなどの対策が必要となる。開発した技術を応用すると、容易にシールドが可能となり、車両の軽量化などにもつながる」(説明員)と語った。
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