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産総研、ナノ炭素材料の新しい合成法を開発キャパシターの電極材料、高効率で量産可能に(2/2 ページ)

産業技術総合研究所の徐強上級主任研究員らは、棒状やリボン状に形状制御されたナノ炭素材料の新しい合成法を開発した。キャパシターの電極材料への応用などが期待されるナノ炭素材料を、高い収率で量産することが可能となる。

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 研究チームは、合成工程を透過型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などで観察した。この画像データにより棒状のカーボンナノロッドや、2〜6層のグラフェンからなるグラフェンナノリボンが高い収率で形成されていることを確認することができた。


左がカーボンナノロッド、右はグラフェンナノリボンの透過型電子顕微鏡像 出典:産総研

効率が高いエネルギー貯蓄材料の可能性

 さらに、新たな合成方法で作製したカーボンナノロッド及びグラフェンナノリボンと、一般的に用いられているミクロポーラスカーボンを電極材料としたキャパシターの定電流充放電特性を測定した。その結果から、新開発のカーボンナノロッドとグラフェンナノリボンが、ミクロポーラスカーボンよりも優れた放電特性を有することが分かった。このことは、効率が高いエネルギー貯蓄材料として活用できる可能性を示したことになる。


カーボンナノロッド及びグラフェンナノリボンと、ミクロポーラスカーボンを電極材料としたキャパシターの定電流充放電特性を示した図 出典:産総研

 研究チームは今回の研究成果を用いて、形状制御された配位高分子を原料としたさまざまなナノ炭素材料の開発を進めていく予定である。

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