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電池内部の反応不均一現象の発生要因を解明自動車用電池への適用で、長距離走行も可能に(2/2 ページ)

京都大学の内本喜晴教授らによる研究グループは、リチウムイオン電池内部の反応不均一現象を可視化し、その発生要因を解明した。この研究成果を適用すると、走行距離が長く、高い安全性を備えた自動車用リチウムイオン電池の設計が可能になるという。

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電子伝導率とイオン伝導率を分離計測

 合剤電極中の電子伝導率とイオン伝導率を分離計測するために、6本の端子を用いて計測する手法も開発した。この方法で測定したところ、合剤電極中では電子伝導率に比べてイオン伝導率が極めて小さく、空孔率が小さい場合にはイオン伝導率がさらに小さくなることが分かった。これらの結果から、リチウムイオン電池の実用的な合剤電極中では、イオン伝導が律速になっている可能性が極めて高く、反応の不均一性が性能支配因子であることが実証された。


リチウムイオン電池合剤電極中の電子/イオン伝導率分離測定法の模式図 (クリックで拡大) 出典:京都大学他

 今回の研究成果を用いて合剤電極を設計すると、性能をさらに向上させたリチウムイオン電池の開発が期待できるという。自動車用リチウムイオン電池では、走行距離が長く、高い安全性を備えた電池を実現することが可能になるとみている。

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