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2016年前半、北米の半導体装置市場が好調:出荷受注比率は5カ月連続で1超え
北米の半導体装置市場が好調だ。BBレシオ(出荷受注比率)は5カ月連続で1を超えているという。SEMIが発表した。
受注額が出荷額を上回る
半導体製造装置/材料関連の業界団体であるSEMIによると、北米に拠点を置く半導体製造装置メーカーの2016年5月のBBレシオ(出荷受注比率)の3カ月平均値が、5カ月連続で1を上回っているという。
SEMIによれば、北米の半導体製造装置メーカーの2016年5月のBBレシオは、1.09だった。これは、100米ドルの出荷額に対して、109米ドル相当の受注があったという意味である。2016年1月以来、BBレシオが1を超える状態が続いているという。
SEMIのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるDenny McGuirk氏は、発表資料の中で、「新品の半導体装置に関するBBレシオが、上昇し続けている。こうした状況は、2016年後半に支出が増加するとの予測に一致している」と述べている。
SEMIによると、2016年5月における北米メーカーの半導体製造装置の世界受注額(3カ月平均値)は、17億5000万米ドルで、同年前月比で10%増、前年同月比では13%増だったという。また、出荷額(3カ月平均値)は16億米ドルで、同年前月比で10%増、前年同月比では3%増となった。
SEMIが発表するBBレシオは、世界全体の受注額と出荷額の3カ月移動平均値である。
日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、2016年5月の日本の半導体製造装置メーカーのBBレシオは、同年4月の1.16から減少して、1.04だったという。
年月 | 出荷額(3カ月平均値) | 受注額(3カ月平均値) | BBレシオ |
---|---|---|---|
2015年12月 | 13億4990万ドル | 13億4350万ドル | 1.0 |
2016年1月 | 12億2120万ドル | 13億1090万ドル | 1.07 |
2016年2月 | 12億440万ドル | 12億6200万ドル | 1.05 |
2016年3月 | 11億9760万ドル | 13億7920万ドル | 1.15 |
2016年4月(最終値) | 14億6020万ドル | 15億9540万ドル | 1.09 |
2016年5月(速報値) | 16億110万ドル | 17億4930万ドル | 1.09 |
出典:SEMI |
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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