測定精度を従来比30%向上したパワーアナライザー:エネルギー関連機器の性能向上を
横河メータ&インスツルメンツは、プレシジョンパワーアナライザ「WT1800Eシリーズ」の発売を開始した。エネルギー効率の向上が求められる、あらゆる産業分野に向くという。
周波数が変動する機器の連続測定にも対応
横河メータ&インスツルメンツは、プレシジョンパワーアナライザ「WT1800Eシリーズ」の発売を2016年8月25日から開始した。WT1800Eシリーズは、2011年に発売した「WT1800シリーズ」の後継機種。従来より測定精度を向上し、新エネルギー関連機器の性能向上を支援する新たな機能、オプションを追加したという。
具体的には、商用周波数50Hz/60Hzで、電力基本角度を従来品の±0.15%から±0.1%と約30%向上。0.1Hz〜10Hzの低周波数では、±0.5%から±0.18%と約60%向上した。
また、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)などのモーターのように、回転数が変化する機器を測定するには、回転数の変化に伴い周波数が変動するため、その都度、測定時間(データ更新周期)を変更する必要があった。同社は今回、入力信号の周波数に追従して、データ更新周期を自動で変更する機能を新たに追加した。これにより、周波数が変動する機器においても、連続で測定ができる。
オプションでは、本体に内蔵できる電流センサー用電源と専用アクセサリーをラインアップしている。大電流の測定が要求されるEVやPHVの発進/加速、太陽光発電や風力発電の大容量化にもシンプルな構成で対応できる。さらに、一体化したことにより、耐ノイズ性能が高いシステムを省スペースで実現できる。
価格は75万円から。自動車、新エネルギー、データセンター関連機器に向くとした。
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