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Alteraから「Intel FPGA」に向けて積極投資:買収から半年経過(2/2 ページ)
2015年にFPGA大手Alteraを買収したIntel。2016年8月30日にIntelのFPGA事業を担当する幹部が来日し、今後の製品開発方針やIntelとしてのFPGA事業の位置付けなどについて語った。
FPGAは「Intelの成功を実現する上で、重要な要素」
IntelにおけるFPGA事業の位置付けについてHu氏は「Intelの成功を実現する上で、重要な要素」と言い切る。「Intelは成長に向けて、IoT(モノのインターネット)デバイスとクラウド/データセンターがつながり、その間を行き来するデータ量が増大し、より大きなデータ処理能力が必要になるという戦略的サイクルを描いている。その戦略サイクルに、CPUやメモリ製品とともに、FPGAが必要とされている。FPGAの持つフレキシビリティ、超並列性、電力効率の高さなどの特長がCPUのボトルネックを解消する。FPGAがIntelの成長を支援する」と語る。
左=Intelが描く成長に向けた戦略的サイクルのイメージ / 右=IoT、クラウド/データセンター、ネットワークと、戦略的サイクルのあらゆる部分でFPGAが必要とされていると強調した (クリックで拡大) 出典:日本アルテラ
ツールもシームレスに
成長ドライバーの1つとして位置付けるFPGA事業に対し、Intelは既に積極的な投資を実施している。Hu氏は「具体的な額は明かせないが、研究開発費も増やし、数百人規模でエンジニアも増員している」と語る。また、統合を生かした開発にも着手。FPGA単体製品の開発加速だけでなく、CPUとFPGAを同一パッケージや同一ダイに統合した製品の開発に着手し、開発ツールでも「CPUとシームレスなツールも将来、提供できるだろう」(Hu氏)としている。
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