半導体プロセス技術、開発競争が過熱:2025年までは28nm FinFETが優勢だが(3/3 ページ)
FinFETの微細化が進む一方で、FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター)にも注目が集まっている。専門家によれば、2025年までは28nm FinFETプロセスが優勢だとするが、それ以降はFD-SOIが伸びる可能性もある。
FinFETの微細化も進む
とはいえ、FinFETのプロセスは微細化も順調に進むとみられている。Apple(アップル)の最新スマートフォン「iPhone 7」に搭載しているアプリケーションプロセッサ「A10」には、TSMCの16nmプロセス「16FF+」が採用されているとみられている。さらに、2017年に製造を開始する予定の次期iPhoneの「A11」(仮称)プロセッサには、TSMCの10nm FinFETプロセスが採用される見通しだ。
Jones氏は、「Appleは2017年に10nm、2018年には7nmプロセスを採用する予定で、TSMCは、これを実現できるよう多額の設備投資を計画している。それでも、これらのプロセスの実用化は予定よりも1〜2四半期遅れるとみられている」と述べた。
IBSは、「新しいFinFETプロセスは複雑で、歩留まりも下がると考えられるため、ゲート当たりのコストがわずかに上がる」と予想している。だがJones氏によれば、Intel(インテル)は、あくまで微細化による低コスト化に主眼を置いているという。一方で同氏は「Intelは、一定の生産量ベースで各ノードのトランジスタ当たりのコストを低減し続けている。一定の生産を続けることは適切な目標ではあるが、達成するのは難しい。14nmでもこの目標を達成できるかどうかは分からない」と述べている。
「TSMCはFD-SOIプロセスをライセンス供与するとみられるが、競合のファウンドリーの動向によって対応を変える可能性は大いにある」とJones氏は述べる。「TSMCは7nmプロセスの開発を積極的に進め、高コストだが優れた独自パッケージング技術である『InFO(Integrated Fan Out)』を用いて、RFチップや組み込み用不揮発メモリなど、さまざまな用途に適用すべきだ」(Jones氏)
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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