うまくいかない半導体製造装置メーカー間のM&A:EE Times Japan Weekly Top10
EE Times Japanで2016年10月1〜7日に、多くのアクセスを集めた記事をランキング形式で紹介します。さまざまなトピックのニュース記事、解説記事が登場!!
「EE Times Japan Weekly Top10」バックナンバー
CEATECはIoT一色
10月4〜7日に「CEATEC JAPAN 2016」が開催されました。そのため、CEATECの展示レポートがいくつかランキングに上がっています。
これまでのIT・エレクトロニクスから「CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT(モノのインターネット)」へと展示内容を一新して行われた今回のCEATEC。個人的には、技術よりもサービスが目立つなあという印象を受けましたが、これまでIoTとは無縁にみえたさまざまな業界での活用例/提案などを見るのは、新鮮でもありました。
実際、そうしたサービス寄りの展示を集めた「IoTタウン」というコーナーも会場の一角に設けられました。3位にランクインした記事では、IoTタウンの展示内容をまとめてお読みいただけます。IoTについては「ソニーの低消費ICはウェアラブルの希望になるか」「1cm角の全固体リチウムイオン電池、IoT向けに発進」なども併せてご覧ください。
うまくいかない半導体製造装置メーカー間のM&A
さて、1位にはちょっと驚く記事がランクインしました。Qualcomm(クアルコム)がNXP Semiconductorsに買収を持ちかけているとの報道が出たのです。スマートフォン用アプリケーションプロセッサで一時代を築いたQualcommですが、同市場の成長スピードが緩やかになるとともに、同社の勢いにも陰りが見えています。Qualcommとしては、それ以外の“柱”を望むのは当然の流れですが、NXPに話を持ちかけるのは予想外でした。
半導体メーカーや部品メーカーの間では現在も活発にM&Aが行われています(交渉中や完了前を含む)。一方で半導体製造装置メーカー間のM&Aは、なかなかうまくいっていません。2015年4月には、東京エレクトロンとApplied Materials(アプライド・マテリアルズ)の経営統合が白紙に。2016年10月には、Lam ResearchとKLA-Tencorの合併買収が、米国の規制当局の判断によって無効となりました(関連記事)。半導体製造装置メーカー間のM&Aは、半導体メーカーとのパワーバランスにも影響を与えることから、警戒する半導体メーカーも多いという声もあります。一方で、装置メーカーにとってM&Aは、次世代プロセスの開発費の抑制につながるという側面があります。
M&Aの交渉が成功するか否かは別として、半導体業界全体でみれば、この動きはもうしばらく続きそうです。「半導体業界の研究開発費、M&Aで減少傾向に?」「衝撃の「ADIのリニア買収」背景と今後」も、ぜひお読みください。
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