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SanDiskが語る、抵抗変化メモリの消費電流と速度福田昭のストレージ通信(47) 抵抗変化メモリの開発動向(6)(2/2 ページ)

今回は、抵抗変化メモリ(ReRAM)の主な性能に焦点を当てる。具体的にはスイッチング電流(書き込み電流)やスイッチング速度(動作速度)、スイッチング電圧という3つの観点から紹介する。

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スイッチング速度はDRAMに近い値も

 続いてスイッチング時間(動作速度)である。スイッチング時間も、セット時間とリセット時間が同じとは限らない。動作原理の違いによって両者には違いが生じることがある。試作結果を見ると、セット時間とリセット時間がほぼ同じであることが多い。

 スイッチング時間そのものは、10ナノ秒〜100ナノ秒とDRAMに匹敵する高速なメモリセルがあるかと思えば、100マイクロ秒〜1ミリ秒とNANDフラッシュメモリ並みに遅いメモリセルもあったりする。ばらつきが非常に大きい。ただし全体的にはDRAMに近いスイッチング時間を実現している試作結果が多く、期待が持てる。


試作された抵抗変化メモリ(ReRAM)セルのスイッチング時間。リセット時間を縦軸、セット時間を横軸にプロットした(クリックで拡大) 出典:SanDisk

スイッチング速度とスイッチング電圧の複雑な関係

 セット動作とリセット動作に必要な電圧(スイッチング電圧)もさまざまだ。1Vから7Vまでの試作結果がある。セット時間、リセット時間とスイッチング電圧は、試作結果を見る限り、かなり複雑な関係にある。


スイッチング時間(横軸)とスイッチング電圧(縦軸)。赤い丸はセット動作、青い「*」はリセット動作を示す(クリックで拡大) 出典:SanDisk

 スイッチング時間の長短と、スイッチング電圧の大小は、必ずしも依存しない。原理的にはスイッチング時間を短くするには、スイッチング電圧を上げる必要がある。しかし実際の試作結果には、大きなばらつきが存在している。

次回に続く

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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