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“IoT熱”は一段落? 本命はAIか「CES 2017」の注目株を探る(2/2 ページ)

「CES 2017」の開催まで約2週間となった。世界最大規模のコンシューマー・エレクトロニクスの展示会における、2017年の注目株は何だろうか。

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AI開発競争の激化

 AIは、誰もが最も注目する技術として挙げている。

 AccentureのCurran氏は、EE Timesのインタビューに対し、「AIはCES 2017において、注目の的となるだろう」と述べている。

 同氏は、「AIは必ずしも、消費者が目で見て確かめられる技術ではない。しかし、電子機器メーカー各社が現在、システム設計やアプリケーション、サービスなどへのAI搭載をめぐり、競争を繰り広げていることから、既にAI開発競争は始まっているといえる」と主張する。

 同氏は、「AIの開発目標は、ソフトウェアアルゴリズムやプログラムを使用して、コンピュータが人間と同程度またはそれ以上の精度で、考察や予測、学習、問題解決などを実行できるようにすることで、人々の生活を一段と効率化し、さまざまなメリットを提供することにある」と説明する。


AI技術の問題点をまとめたIEEEの報告書の表紙 出典:IEEE

 しかし、AIは現在のところ、まだこうした目標の達成には程遠く、近づくことさえできていない。それでもあらゆるメーカーが、機械学習(マシンラーニング)や自然言語処理、分析などを実現可能なAIの将来性を有望視し、さまざまな取り組みを進めている。

 Curran氏に、Accentureが強気な姿勢を見せることができる根拠について尋ねると、同氏は「AIが、さまざまな技術に浸透していく中で、民生機器市場インフラの中核を担うようになってきたためだ」と答えた。

 これまでの歴史を振り返ってみても、CESの大きな目玉が、必ずしも実際の消費者市場の方向性を正確に示すという保証はない。例えば、AIで実現可能とされるメリットが、2016年における3D TVの単なる誇大宣伝バージョンではない、実証できるのだろうか。

 最近、3D TVをよく見かけるだろうか?

 市場調査やコンサルティングを手掛ける米Arlen CommunicationsのプレジデントであるGary Arlen氏は、自らがVRとAIの熱心な支持者であることを認めている。同氏は、「3D TVなどの民生用ディスプレイの新製品は、映画やテレビスタジオなどの製品にとって不可欠とされる、コンテンツやアプリケーションを提供するメーカーから、全面的なサポートを得られなかったが、VRやAIは、その枠組みを大きく超える技術だ」と述べている。


「CEATEC JAPAN 2011」で情報通信研究機構(NICT)が展示した200型裸眼3Dスクリーン

 同氏は、「機械学習などのAIの場合、自動車や製造業(ロボット工学)、ヘルスケア、教育に至る幅広い業界が、技術の導入に向けた体制を整えている。特に教育に関しては、企業が、自社の社員に対し、将来的にその仕事に従事し続けるとの前提に基づき、社員教育を行うための技術を導入するなど、予算は低いかもしれないが非常に重要視されている」と述べる。

 つまり、AIが注目されているのは、ただ単に、トレンドに執着する民生機器業界において勢いがあると認められたからではない。幅広い業界において、既に導入が進められている技術であるためだ。

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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