自動運転実現へセンサーソリューションを提案:国際カーエレクトロニクス技術展
村田製作所は、「第9回国際カーエレクトロニクス技術展」において、各種センサーやコンデンサー、電源技術をベースに、先進運転支援システム(ADAS)などを実現していくためのソリューションを提案した。
村田製作所、パートナー企業と連携し展開
村田製作所は、「第9回国際カーエレクトロニクス技術展」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)において、各種センサーやコンデンサー、電源技術などをベースに、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転などを実現していくためのさまざまなソリューションを紹介した。
その1つが自動運転を可能にするためのソリューションである。同社は車載システムや産業機器など過酷な環境での使用を可能にするMEMSジャイロコンボセンサー「SCC2000シリーズ」を量産している。小型で高性能な3軸加速度センサーとX軸またはZ軸ジャイロセンサーを一体化しワンパッケージに統合した。クラス最高レベルの温度依存性や衝撃感度、バイアス安定性を達成している。すでに、車両の横滑り防止装置などに採用されているという。
ブースでは、このMEMSジャイロコンボセンサーを搭載したマゼランシステムズジャパン製のGNSS慣性航法システムを展示した。移動局側に搭載するモジュールで、マゼランシステムズジャパンとの協業により開発された製品である。マゼランシステムズジャパンは、基地局側で用いる無線キットなども用意している。
センチメートル級の精度で位置計測が可能なGNSS RTK(リアルタイムキネマティック)モジュールとMEMSジャイロコンボセンサーを組み合わせた。特に、マゼランシステムズジャパン独自の運動検知・制御アルゴリズムを用いることで、外乱に強く、安定した高精度出力を得ることができるという。農業機械、倉庫内の自動搬送車、ドローンなどの用途に提案していく。
傾斜を検知し、水平に保つ
もう1つは車両や建機/農機などに実装して、傾きを高精度に検知するMEMS加速度センサー「SCA3300」シリーズである。静電容量式3D-MEMS技術を用い、高い精度と信頼性を実現した。検出範囲は±15g、±3g、±6gで、オフセット温度特性は±15mgである。消費電流は1mA以下と極めて小さい。ノイズ密度も抑えた。
ブースでは、回転する円板上にMEMS加速度センサーを設置し、回転時に傾きが生じるとその角度を検知し、速やかに水平を保つように制御するデモを行った。一例だが、車両が走行中に凹凸の路面上を通過しても、ヘッドライトの照射高を一定に制御することが可能になるいう。
SCA3300シリーズは2017年2月よりサンプル出荷を始める予定である。
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