ニュース
理研、東芝とNEC、富士通の3社とAI研究で連携へ:「FacebookやGoogleに勝つつもりで」
理化学研究所(理研)は2017年3月10日、東芝、NEC、富士通の各社と、理研革新知能統合研究センター内に連携センターを開設する。設置期間は、2017年4月1日から2022年3月31日までの予定だ。
2022年3月31日まで、3つの連携体制ができる
「FacebookやGoogleに勝つつもりで臨む」――。理研革新知能統合研究センター(理研 AIP)のセンター長で東京大学教授の杉山将氏は語る。
理化学研究所(理研)は2017年3月10日、東芝、NEC、富士通と理研 AIP内(東京都中央区)にそれぞれの連携センターを開設することを発表した。つまり、理研と東芝、理研とNEC、理研と富士通という、3つの連携センターができることになる。設置期間は、2017年4月1日から2022年3月31日まで。人工知能(AI)分野に関する基盤技術開発から社会実装までの一貫した研究により、社会イノベーションの創出を目指すという。
理研 AIPは、文部科学省が推進する「人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト」事業の研究開発拠点として、2016年4月14日に設置。これまで3つの研究グループが存在していたが、これに各企業の連携センターが加わる。
各連携センターの体制は、東芝が約30人、NECが約20人、富士通が約50人。富士通は数十億円規模の投資を行うとしたが、東芝とNECは投資額について明らかにしなかった。各連携センターの研究課題や詳細については、後日別の記事で紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 沈黙する人工知能 〜なぜAIは米大統領選の予測に使われなかったのか
世界中が固唾をのんで、その行方を見守った、2016年11月8日の米国大統領選挙。私は、大統領選の予測こそ、人工知能(AI)を使い倒し、その性能をアピールする絶好の機会だとみていたのですが、果たしてAIを手掛けるメーカーや研究所は沈黙を決め込んだままでした。なぜか――。クリントンvsトランプの大統領選の投票を1兆回、シミュレーションしてみた結果、その答えが見えてきました。 - AIで働く人々は幸福になれるのか
日立製作所は2016年6月、AI技術を活用し、働く人の幸福感向上に有効なアドバイスを、各個人の行動データから自動で作成する技術を発表した。今回の発表に伴い、ソーシャルメディア上では、AIに対する期待と不安の声が混じっている。AIは私たちの幸福感を高めてくれるのだろうか。そこで、このAIを活用した技術を開発した日立製作所の矢野和男氏にインタビューを行った。 - 我々が求めるAIとは、碁を打ち、猫の写真を探すものではない
ちまたには「人工知能」という言葉が氾濫しています。ですが、明言しましょう。「人工知能」という技術は存在しません。そして、私たちがイメージする通りの「人工知能」の実現も、恐らくはまだまだ先になるでしょう。 - NEC「予測の根拠を説明できる人工知能」を強化
NECは2016年5月26日、大規模なデータから多数の規則性を発見しさまざまな事象の予測/処方分析が行える独自の人工知能技術「異種混合学習技術」を、分散処理に対応させたと発表した。従来よりも規模の大きなデータを高速に扱えるようになり同技術の応用範囲が広がるという。 - NEDOが人工知能技術の進展予測を公表
NEDOは2016年4月21日、人工知能技術の進展予測と、産業界に与える効果をまとめた「次世代人工知能技術社会実装ビジョン」を公表した。 - IBMの「Watson」、スポーツ分野に浸透へ
IBMの人工知能「Watson」が、スポーツ分野で採用され始めている。Watsonを搭載したヘッドバンドを選手に取り付け、脳震とうを起こしてないかをトラッキングするといった方法で使われている。