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メモリ、海外原子力抜きの東芝として成長戦略発表:社会インフラ中心の会社へ(3/3 ページ)
東芝は2017年3月14日、メモリ事業の売却、海外原子力事業からの撤退方針を示した上で、2017年度以降の経営戦略を公表した。社会インフラ事業を中心に、エネルギー事業、メモリを除く半導体、HDD事業、ICT事業に注力する。
メモリなき後の半導体事業でも成長目指す
電子デバイス事業については、2016年度8034億円、2017年度7400億円、2019年度8000億円とほぼ横ばいの売り上げ規模で推移させる計画。ただ、ディスクリート半導体、システムLSIを主とする半導体ビジネスは、産業用、車載用での拡販を図り、2016年度3700億円の売上高を2019年度に4400億へと引き上げる。産業用では小信号デバイス、光絶縁素子、モーター制御ICなど、車載用ではパワーデバイス、画像認識LSIなどの展開を強化する。HDDビジネスについてはシェアの維持拡大を掲げるが、2016年度4600億円の売り上げ規模は2019年度3600億円に縮小する見通しだ。
さらに2020年度以降の将来を支える技術への投資も今後3年間で実施する。将来を支える技術としては、ロボティクス、人工知能、セキュリティ、SiC(炭化ケイ素)によるデバイスなどを用いたパワーエレクトロニクス、チタン酸リチウムを用いた独自二次電池(SCiB)、超伝導技術を挙げた。
綱川氏は「今回の経営戦略を着実に進めることで、過度な成長を求めた過去の経営と決別する」と締めくくった。
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