時速100kmの車両を無線LANにつなぐインフラ用AP:テクノフロンティア2017
東洋電装は「テクノフロンティア 2017」にて、4.9GHzでメッシュネットワークを構築し、2.4GHzか5GHzでWi-Fiスポットを提供する屋外用広域無線LANアクセスシステム「AP-7161-JP」を発表した。時速100kmの高速移動体でも瞬時にローミングできるのが特徴の1つだ。
インフラ用途に適した耐環境性
東洋電装は2017年4月19〜21日に幕張メッセで開催した「TECHNO-FRONTIER 2017(テクノフロンティア 2017)」にて、4.9GHz、2.4GHz、5GHzの3つの周波数帯域に対応した屋外用広域無線LANアクセスシステム「AP-7161-JP」を展示した。
AP-7161-JPは、4.9GHzと2.4GHzの同時使用が可能な無線LANアクセスポイントだ。4.9GHz帯で主幹線となるメッシュネットワークを構築し、2.4GHz帯をWi-Fiスポットとして提供する。免許の取得が必要だが、2.4GHz帯の代わりに5GHz帯も使える。
外装にはアルミニウムの鋳造筐体を採用。雨、風、ちり、振動への耐性が高く、動作温度範囲は−40〜70℃と広い。時速100kmの高速移動体でも実測100ミリ秒(最大600ミリ秒)で瞬時にローミングできるのも特徴の1つだ。そのため、高速道路での違反者追跡情報や緊急車両の位置情報のモニタリングの他、鉄道の運行状況把握や社内Wi-Fiスポットの提供などへの活用が可能である。
メッシュネットワークでは、各AP-7161-JPが自律分散的にリアルタイムでふくそう状況やリンク速度を監視し、最適な通信経路を選択する。高スプリアス(250mW)無線を使用するため、半径最大3kmの長距離伝送が可能。最大伝送速度は、3×3 MIMO使用時で300Mビット/秒(Mbps)だ。
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