低価格のUSBベースでVNA市場に参入、Tektronix:ボックス型より価格4割安く(2/2 ページ)
Tektronixは2017年5月、ベクトルネットワークアナライザー(VNA)の第1弾製品「TTR500シリーズ」を発売し、VNA市場に参入した。低価格、小型で、誰でも使いやすいをコンセプトに、USB経由でPCと接続して使用するUSBベースのVNAとした。
「ボックス型のVNAと性能、機能は同じ」
低価格化、小型化を図ったが性能について瀬賀氏は「妥協していない」と言い切る。TTR503A/TTR506Aともに、フル2ポート、2パスを備え、ダイナミックレンジは122dB。能動部品、回路の評価に不可欠なバイアスティを内蔵。「ボックス型のVNAと性能、機能は同じ」(瀬賀氏)
RFエンジニアの不足に対しては、使いやすさを追求したユーザーインタフェース(UI)を備えたソフトウェア「VectorVu-PC」(無償)を用意した。VectorVu-PCは、PCベースのシミュレーション環境での開発に慣れた若手技術者向けにプルダウンメニューベースのUIを提供。さらに、熟練のRFエンジニア向けに従来のボックス型VNAと同じ操作性を持つUIも用意し「誰にとっても使いやすいUIになっている」(瀬賀氏)とした。
「誰でも扱えるRF用計測器の需要は拡大する」
Tektronixは2017年、「半導体、部品」「インダストリアル」「自動車」「ネットワーク機器」「教育、研究機関」という5つの成長分野、アプリケーションにフォーカスするという事業戦略を掲げている。
そうした中で、VNAを含むRF用計測器の強化を進めている。このほどテクトロニクスの代表取締役に就任したKent Chon氏は「フォーカスする5つの成長分野、アプリケーションの中でもインダストリアル領域で、IoT化が進展しRFの応用が進んでいる。IoTには、規模の小さな企業も多く参入する見通しで、誰でも扱えるRF用計測器の需要は拡大する」とTTR500シリーズなどRF用計測器ビジネス成長に向けた期待を語った。
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