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SiCデバイスの開発を加速するリテルヒューズ“第3勢力”として挑む(2/2 ページ)

Littelfuseは、パワー半導体の展示会「PCIM Europe 2017」(2017年5月16〜18日、ドイツ・ニュルンベルク)で、SiCパワーデバイスと、それらを搭載した評価ボードやデモボードを展示した。回路保護素子のイメージが強い同社だが、SiCパワーデバイス市場の成長を見込んで開発を加速している。

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“第3勢力”としてSiCパワーデバイスの開発を加速


Littelfuseの吉本幸一郎氏

 Littelfuseが狙うのは、エアコンなどの白物家電ではなく、太陽光発電システムのパワーコンディショナーやフォークリフトを上げ下げするモーターなどの高電圧が必要な用途だ。さらに、日本ではなくまずは米国や欧州をターゲットにする。吉本氏は「日本はSiCパワーデバイスメーカーの大手が多く、厳しいというのが実情だ」と述べる。ただ、「LittelfuseでSiCパワーデバイスを開発するビジネスユニットは規模が小さいので動きやすく、顧客の要求にも柔軟に素早く応えられる体制ができている」と続ける。

 現在、Littelfuseでは売上高の3割、利益の5割を半導体が占めているという。2016年8月には、米ON Semiconductorから、イグニションIGBTやTVS(トランジェント電圧抑制回路)ダイオード、スイッチングサイリスタを買収している(関連記事:オンセミのフェアチャイルド買収、規制当局が承認)。半導体売上高の比率が高くなってきた同社にとって、SiCパワーデバイスは「非常に期待している分野」だと吉本氏は強調する。「Monolithの株式の51%を取得した際、金額は明かせないが、かなりの額を投資した。それだけ成長を見込んでいるということだ」(吉本氏)。

 吉本氏は、「SiCパワーデバイス市場には三菱電機や富士電機、Infineon Technologiesなどの大手メーカーがいて、われわれは後発の“第3勢力”だ。だが(こういった“第3勢力”の参入で)SiCパワーデバイス市場はますます面白くなっているのではないか。当社は一度参入したら諦めない。Si-IGBTの世界をひっくり返すという、強い意気込みを持って開発を進めていく」と語った。

評価用ボードとデモボードを展示

 Littelfuseが展示したSiCパワーデバイスの評価用ボードや、デモボードを、以下に紹介する。

評価用ボード(左)。Monolithが設計している。右は、10kWの位相シフトフルブリッジ(PSFB:Phase-Shifted Full Bridge)コンバーター (クリックで拡大)
SiC-MOSFETを2個搭載した20kWのブーストコンバーター(左)と、同8個を搭載した80kWのブーストコンバーター。それぞれ赤い矢印や枠で示しているところがSiC-MOSFET。上記のPSFBコンバーターと、20kW品にはLittelfuseのゲートドライバーICが使われているが、出力が大きい80kW品にはAgileswitchのゲートドライバーICが使われている(クリックで拡大)

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