LTE/4G活用のV2Xで自動運転をサポート:C-V2X/コネクテッドカー(2/2 ページ)
Nokiaの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)は東京都内で記者説明会を行い、セルラーV2X、コネクテッドカーに関する最新動向や応用事例などを紹介した。
5Gを待って2020年に間に合うか
続いて、ノキアのテクノロジー統括部長を務める柳橋達也氏が、「セルラーV2Xの最新動向とノキアのコネクテッドカーへの取り組み」について述べた。V2Xの進化について柳橋氏は、3つの事例を紹介した。1つはエッジコンピューティングと同報配信技術「eMBMS」によるネットワーク効率の最適化。もう1つは駐車場エリアなどにある車両とのコネクティビティにLTEを拡張した「NB(Narrow Band)-IoT」の活用例。そして、LTE V2Xによる車車間通信や車路間通信の例を挙げた。
コネクテッドカーのシステム検証について柳橋氏は、「テレコム業界が主体となって、遅くとも2018年末までに検証を終える。その後、自動車業界が2年かけて実証実験を行うことになる。実車に搭載されるまで3〜4年を要する。つまり、LTEで開発をスタートしても、実用化されるのは2020年以降である。5G技術の開発を待っていたら、実用化はさらに遅くなる」と話す。
柳橋氏は、ノキアが提供するコネクテッドカーソリューションについて、エッジコンピュータを用いた車車間通信や車路間通信について、いくつかの事例を紹介した。例えば、安全や協調運転を支援するV2V、地域特有のローカルマップ配信、分散型AI(人工知能)、交通弱者などの情報を車両にフィードバックするV2P、自動運転車などに対する遠隔制御などである。
ノキアは、ドイツのContinentalやBosch、中国のChina Mobileなどと共同で実証実験を重ねてきた。これらのトライアルでは、20ミリ秒かそれ以下の遅延時間でエンドツーエンドの通信を実現している。しかも、この遅延時間の大半はエッジ処理に要する時間であり、通信側の遅延についてはほとんど影響がないという。これらとは別に同社は、レンタカー会社の「Hertz」と協力し、各種機能のパーソナライゼーションなど、利用者の利便性を向上させるコネクテッドカーソリューションを開発中であることも明らかにした。
日本でもワンストップソリューションを提供
最後に、ノキアの取締役IoT事業推進担当を務める西原政利氏が、「日本市場における取り組み」について紹介した。2017年3月に、日本市場向けの開発プラットフォームとして「Nokia Innovation Platform」(コネクティビティ側)の供給を始めた。スタートアップのためのワンストップソリューションを提供する。2017年下期には、コア側のNokia Innovation Platformの供給も始める予定だ。
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