約10年ぶり、ノキアが日本の民生市場に再参入:デジタルヘルス製品を投下(2/2 ページ)
Nokia Technologies(以下、ノキア)が、デジタルヘルスに特化したスマートデバイス製品群を携え、10年ぶりに日本のコンシューマー市場に参入する。一体、なぜ日本なのか。同社のアジア マーケティング責任者が語った。
アプリと連携、睡眠サイクルの管理から動脈硬化の予防まで
ノキアが日本で販売開始するデジタルヘルス製品は、ヘルスケア用スマートウォッチ3機種「Steel」「Steel HR」「Go」と、Wi-Fi接続型のBMI体重計3機種「Body」「Body+」「Body Cardio」などだ。
SteelとGoは消費カロリー、歩数、移動距離の記録が可能。また、内蔵の加速度センサーでユーザーの動きを感知することで、睡眠中か否かを認識し、睡眠サイクル(睡眠が浅いか深いか)まで判別できる。Steel HRは今秋に発売予定の新製品で、SteelとGoの全機能に加え、心拍測定機能を備えている。
一方、Bodyは体重とBMIの測定が可能。Body+はBodyの機能に加え体組成計機能を搭載。Body CardioはBody+の機能に備えるとともに、動脈硬化の進展を示すパラメーターの1つである脈波伝播(でんぱ)速度(PWV:Pulse Wave Velocity)や、心拍数の測定も可能だ。
これらのデバイスは、ノキアのアプリ「Health Mate」と連携して使用する。同社はHealth Mateを介し、睡眠サイクルの最適化するための「スリープマスター」、妊娠中の女性が体重を保つための「妊娠トラッカー」、体形を維持するための「シェープアップ」という3種類の健康管理プログラムを提供。スリープマスターはSteelとGo、妊娠トラッカーはBody+とBody Cardio、シェープアップはBody、Body+、Body Cardioに対応している。
ノキアは今後、日本のデジタルヘルス市場にどんな製品を投下していくのか。プレオモン氏はそれについて、「ノキアは旧Withings製の体温計を海外で展開している。だが、それを日本で販売するためには認可が必要だ。その認可を得るため、当局と掛け合っていきたい」と語っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 新生ノキア発進、5G対応基地局製品をMWCで発表
Nokia(ノキア)は、Mobile World Congress 2016(MWC 2016)で、1つのベースバンドでWi-Fiを含む、複数の通信方式をサポートできる5G(第5世代移動通信)対応ベースステーション「AirScale」などを発表した。 - “垂直指向のサービス”から抜け出すためのIoT基盤
ノキアが、IoT(モノのインターネット)事業を本格化している。同事業の柱となるのが、今後、日本国内への提供を開始するIoT向けのプラットフォーム「IMPACT(インパクト)」だ。ノキアの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークスは2016年8月25日、事業戦略説明会を開催し、IMPACTについて説明した。 - 最初の照準は東京五輪、5G開発を加速する日本勢
本連載では、5G(第5世代移動通信)の開発が進んでいる5つの国/地域に焦点を当て、その最前線をノキアの視点でお届けする。第2回となる今回は日本を取り上げる。2020年の東京オリンピックを控え、5Gの商用化に向けた議論が加速してきている。 - 5Gで8K映像のリアルタイム伝送に成功
NTTドコモとNokia(ノキア)は、8K映像のリアルタイム5G(第5世代移動通信)無線伝送に「世界で初めて成功した」と発表した。 - IoTにはプログラム可能なネットワークが必要
ノキアは2016年12月13日にカスタマー向けプライベートイベント「Connected Future」を開催し、5G(第5世代)関連の技術などを紹介した。基調講演でノキアは次世代ネットワークアーキテクチャのコンセプトである「Future X」を紹介し、IoT(モノのインターネット)時代では、全てがプログラム可能な柔軟なアーキテクチャが必要になると主張した。 - シェア1位の維持が最優先、4G投資回収の支援も
ノキアソリューションズ&ネットワークスがジェジュン・ウォン氏を社長に迎えて約半年が経過した。同氏は、日本市場で最も注力すべきはシェアでトップを維持することだと強調する。さらに、Nokia本社によるAlcatel-Lucent買収も、日本の顧客にメリットをもたらすという。