WD、東芝とのメモリ合弁事業に投資継続の意思を強調:メモリ新製造の設備費用含め
Western Digital(ウエスタンデジタル/WD)は2017年8月2日(米国時間)、東芝とのNAND型フラッシュメモリの合弁事業に対し、今後も投資を行うとの声明を発表した。この発表の直前に東芝は、東芝メモリのメモリ新製造棟(四日市工場)への投資について協議中だったSanDisk(サンディスク:WDの子会社)と合意に至らなかったため、東芝メモリ単体で投資を続行すると発表していた。
「今後も投資を行う明確な意思」
Western Digital(ウエスタンデジタル/WD)は2017年8月2日(米国時間)、同社が東芝と共同運営するNAND型フラッシュメモリの合弁事業に対し、東芝メモリ四日市工場で建設中の第6製造棟も含め、今後も投資を行う明確な意思を持っていると発表した。
東芝は2017年8月3日、建設中の第6製造棟に関して、生産設備導入に対するSanDisk(サンディスク:WDの子会社)の投資参加に関する協議が合意に至らなかったとし、東芝メモリ単体で投資を継続すると発表した(関連記事:「東芝のメモリ新製造棟、SanDiskは投資せず」)。WDは、これを受けて上記の声明を発表し、「東芝との合弁事業に関わる契約においてWDは第6製造棟に東芝と共同で設備投資を行う権利を有しており、当社はその権利を行使する予定」とした。WDの広報担当は、「SanDiskは、今後も第6製造棟に投資する可能性は大いにある」と強調する。
WDの広報担当は、「当社にとって協議とは現在進行形のものであり、何月何日という明確な日にちをもって終了したり合意に至ったりするものではないと認識している。なぜ、東芝が、このタイミングで“協議が合意に至らなかった”と発表したのかは分からず、残念に思っている」と述べる。「これまで何度も発表してきた通り、WDにとってNANDフラッシュは極めて重要な製品であり、当社の取締役会も第6製造棟への設備投資を承認している」(広報担当)
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