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FeRAMのメモリセル構造の基礎福田昭のストレージ通信(67) 強誘電体メモリの再発見(11)(2/2 ページ)

強誘電体不揮発性メモリ(FeRAM)の構造には、2T2C方式、1T1C方式、チェインセル方式がある。それぞれの特徴を紹介するとともに、メモリセルの断面構造についても解説しよう。

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スタックセルとオフセットセル

 続いてメモリセルの断面構造を考えよう。議論を容易にするため、ここでは1T1C方式だけを考える。製造工程の順番は、まずMOSFETを形成し、その後に、強誘電体キャパシターを形成する。ここで、2通りの構造が考えられる。

 1つは、MOSFETのほぼ真上に強誘電体キャパシターを形成する構造である。もう1つはMOSFETの真上ではなく、位置を少しだけずらして斜め上に強誘電体キャパシターを形成する構造である。前者を「スタックセル(stacked cell)」、後者を「オフセットセル(offset cell)と呼ぶ。

 メモリセルが小さくなるのは、スタックセルである。ただしこの構造ではトランジスタの拡散層とキャパシターの下部電極をプラグ金属を介して直接的に接続するため、熱的に安定なコンタクトが得られるかどうかが課題である。製造は難しくなる。

 オフセットセルは、いったんトランジスタの相互接続を金属配線層に引き上げてから、キャパシターの電極に接続する。金属配線とキャパシター電極の接続になるので、安定な接続を得やすい。ただしメモリセルそのものは、大きくなる。


FeRAMのメモリセルの断面構造。左はスタックセル、右はオフセットセルの構造。出典:NaMLabおよびドレスデン工科大学(クリックで拡大)

次回に続く

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