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新材料「二酸化ハフニウム」を使った強誘電体キャパシターの特性福田昭のストレージ通信(72) 強誘電体メモリの再発見(16)(2/2 ページ)

強誘電体の二酸化ハフニウムは、不揮発性メモリ用のキャパシターとしてどのような特性を示しているのか。後編となる今回は、分極反転サイクル特性と、シリコン面積当たりの静電容量を高めるための3次元構造について解説する。

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高密度化の行方を左右する3次元構造の強誘電体キャパシター

 DRAMセルの高誘電体キャパシターは、シリコン面積当たりの静電容量を高めるために、3次元構造を採用している。メモリセルの断面構造で説明すると、セル選択トランジスタの上、あるいは斜め上に円筒状のキャパシターを形成したり、シリコン基板に深い孔を開けて円筒状のキャパシターを形成したりする。

 強誘電体不揮発性メモリ(FeRAM)でも、研究開発段階で同様の試みがなされたことがある。しかし従来のペロブスカイト系材料では、深い円筒状の薄膜における結晶品質があまり良好ではなく、3次元構造のキャパシターでは製品化には至らなかった。

 新材料の二酸化ハフニウムでは幸いなことに、研究室レベルでは円筒状のキャパシターアレイで比較的良好な特性(ヒステリシス曲線)の強誘電体キャパシターが得られている。今後の研究開発の進展に、期待がかかる。


3次元構造の強誘電体キャパシター。左は試作したキャパシターの顕微鏡観察写真と断面構造図。右はヒステリシス曲線。出典:NaMLab(クリックで拡大)

次回に続く

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