次期iPhone、NFCチップで“番狂わせ”はあるのか:STMがNXPに取って代わる?(3/3 ページ)
もう間もなく、Appleから新型「iPhone」が発表される。搭載される部品で、サプライヤーが交代するという“番狂わせ”はあるのか。NFCチップのサプライヤーについて検証してみよう。
圧倒的な強さを誇るNXP
NFC市場は、2つのカテゴリーに分けられる。NFCコントローラー市場と、NFC向けSE市場だ。ABI ResearchのSealy氏によれば、NXPはその両方でシェアトップになっている。NFCコントローラー市場でのNXPのシェアは50%以上、組み込みSE(eSE)市場では70%以上だという。
STMのNFCソリューションは、NFCコントローラー、セキュアMCU、eSE、組み込みSIM(eSIM)から構成される。さらに、STMが、SiP(System in Package)のNFCチップ「ST54F」「ST54H」を提供していることに注目したい。これら2製品は、NFCコントローラーとeSIMを搭載している。
NFC市場に長らく君臨しているNXPではあるが、ライバルは次々と参入してきている。P.A. ID StrategiesのDevlin氏は、STMの他にもInfineon Technologies、Broadcom、Samsung Electronicsを挙げる。「かつて、BroadcomはSamsungの『Galaxy』端末にNFC製品を提供していた。しかし、NXPが急速に成長し、Samsungも自社でNFCチップを開発するようになったため、Broadcomはシェアを失った」(同氏)
果たして、STMのチップはiPhoneに採用されているのだろうか?
Devlin氏は、そのようには考えていないようだ。「NXPのNFCチップの設計プロセスはこなれており、そう簡単にはサプライヤーを変えられないだろう」(同氏)。SAR Insight & ConsultingのCooney氏も、同様の見解だ。Tirias ResearchのMcGregor氏も同様の意見だが、「サプライヤーに関しては、Appleは傲慢なことで知られている。Appleに歯向かうサプライヤーを好まない」と付け加えた。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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