「Apple Watch Series 3」を分解:東芝もデザインウィンを獲得(2/2 ページ)
TechInsightsは「Apple Watch Series 3」を分解し、その結果をレポートした。SiP(System in Package)の大きさは前世代品と同等だが、より多くのコンポーネントを集積している。
東芝もデザインウィンを獲得
TechInsightsはレポートの中で、Apple/Dialog SemiconductorのPMIC、旧Avago Technologies(現Broadcom)のフロントエンドモジュール「AFEM-8069」、Skyworksのパワーアンプ「SKY 78198」を特定している。パワーアンプについては、少なくとももう1個搭載されていると思われる。
東芝もデザインウィンを獲得している。16GバイトのNAND型フラッシュメモリで、「FPV7_32G」と刻印されたダイが4個搭載されている。SK hynixもDRAMを供給しているが、これはAppleの最新のアプリケーションプロセッサ(デュアルコアのデバイス)に搭載されていると思われる。
Appleが新しいApple Watch Series 3に採用した自社開発のアプリケーションプロセッサのサイズは7.74×6.25mmで、既存デバイス(7.29mm×6.25mm)よりもわずかに大きくなった。TechInsightsによると、新型のBluetoothカスタムチップ「W2」のサイズは2.61mm×2.50mmで、「Apple Watch Series 2」に採用された「W1」(3.23mm×4.42mm)よりも大幅に小型化されたという。
SiPの裏側のRFコンポーネントの近くには、STMicroelectronics製の32ビットMCU「ST33G1M2」が搭載されている。また、Analog Devices(ADI)は引き続き、2種類の静電容量タッチICを供給している。そのうち1つはタッチスクリーンコントローラーで、もう1つは「AD7149」というセンサーコントローラーだ。この2チップは、いずれもApple Watch Series 2にも搭載されている。
ワイヤレス充電チップを提供しているのはBroadcomだ。「iPhone 8」に搭載されているチップと同じ製品である。NFC機能には、NXP Semiconductorsのモジュール「PN80V」が採用された。これもiPhone 8に採用されている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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