ニュース
優れた周波数温度特性を実現、NDKのTCXO:5Gなどの小型セル基地局向け
日本電波工業(NDK)は、小型セル基地局や基幹系ネットワーク用機器向けに、優れた周波数温度特性を実現したTCXO(温度補償水晶発振器)「NT7050BB/BC」を開発した。
高温環境での耐性向上や低位相雑音/低消費電力に対応
日本電波工業は2017年10月、小型セル基地局や基幹系ネットワーク用機器向けに、優れた周波数温度特性を実現したTCXO(温度補償水晶発振器)「NT7050BB/BC」を開発したと発表した。2018年1月よりサンプル出荷を始める予定である。
NT7050BB/BCは、公称周波数が38.88MHzで、電源電圧は3.3V、外形寸法が7.0×5.0×2.0mmである。周波数温度特性は−40〜105℃の温度範囲において最大±100×10-9を実現した。位相雑音特性は−97dBc/Hz(離調周波数10Hz)、位相ジッタは112fs(12kHz〜5MHz)を達成している。
第5世代移動通信方式(5G)や次世代Wi-Fi通信システムなどでは、極小セル基地局やスポットセル基地局が注目されている。カバーするエリアを狭くすることで基地局の負荷を軽減し、データ量の増大と高速化する通信速度に対応するのが狙いである。
これらの基地局に用いられる水晶発振器には、これまで以上に高温環境での耐性や、低位相雑音/低消費電力などが求められているという。新製品はこうした要求に応えて開発した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 天体引力による地球の変形を捉える水晶センサー
日本電波工業は2017年9月13〜15日に開催されている展示会「センサエキスポジャパン」で100万分の5度を検出できる水晶を応用した傾斜センサーシステムを公開している。天体引力の影響で変化する地球表面の様子を捉えることができるという。 - NDKとJAXA、宇宙用材料向けガス計測センサー開発
日本電波工業(NDK)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、真空環境下において宇宙用材料などから放出されるアウトガスを計測するシステム「Twin QCM」を開発したと発表した。 - 厚みは従来の半分以下、大真空の水晶デバイス
大真空は、従来製品に比べて厚みを半分以下にした新構造の水晶タイミングデバイス「Arch.3G」シリーズを発表した。 - 厚み加工精度2nmで1008サイズ水晶振動子を製品化
京セラクリスタルデバイスは2017年3月、1008(1.0×0.8mm)サイズの水晶振動子を製品化すると発表した。水晶素子の加工精度を大幅に高めた独自製造方法により「世界最小の水晶振動子を実現した」(同社)