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IEDM 2017の講演2日目(12月5日)午後(その2):次世代トランジスタを狙う負性容量FET技術福田昭のデバイス通信(122) 12月開催予定のIEDM 2017をプレビュー(6)(2/2 ページ)

12月5日午後の注目講演を紹介する。負性容量トランジスタ、シリコンフォトニクス、非シリコン材料による高耐圧パワーデバイスなどの研究成果が発表される。

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200mmのウエハープロセスでフォトニクス回路を製造

 セッション24では、シリコン基板に光回路を作り込む、シリコンフォトニクスの研究報告が相次ぐ。最近は直径200mmのシリコンウエハープロセスでシリコンフォトニクス回路を製造するインフラが整っており、以前に比べるとはるかに低いコストで量産が可能になってきた。

 University Grenoble AlpesとSTMicroelectronicsの共同研究チームは、200mmウエハーのシリコンプロセスで製造するフォトニクスプラットフォーム技術を発表する(講演番号24.1)。III-V族の分布帰還(DFB:Distributed FeedBack)型半導体レーザーをハイブリッド集積し、シリコンのCMOS回路と一体化する。半導体レーザーのサイドモード抑圧比(SMSR:Side Mode Suppression Ratio)は50dB。光導波路への出力は4mWである。

 University of CaliforniaとMassachusetts Institute of Technology(MIT)の共同研究チームは32nm世代のFD SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレーター)プロセスと互換のフォトニクスプラットフォーム技術を公表する(講演番号24.3)。12.5Gビット/秒のデータ転送速度で信号を送受信するO(Original)バンドの光通信用トランシーバー回路とアナログフロントエンド回路を集積してみせた。

窒化ガリウムのトランジスタで750Vの耐圧を達成

 セッション25では、非シリコン材料による高耐圧パワーデバイスの研究成果が目立つ。窒化ガリウム(GaN)化合物半導体のトランジスタとダイヤモンドのトランジスタが登場する。

 パナソニックと大阪大学、北海道大学の共同研究チームは、シリコン基板上に窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)と窒化ガリウム(GaN)のヘテロ接合型MIS FETを作製した(講演番号25.1)。ドレイン電流は20A。耐圧は730Vである。スルーレートはターンオンが78V/ns、ターンオフが169V/nsと高い。

 University Grenoble Alpesを中心とする共同研究グループは、ダイヤモンドを材料とする横型のMOSFET技術を発表する(講演番号25.4)。耐圧は200V(4MV/cm、リーク電流は0.6nA/mm)とかなり高い。キャリアの移動度は1000〜1700cm2/V・sに達する。


12月5日(火曜日)午後の注目講演タイトル(その4) (クリックで拡大)

次回に続く

⇒「福田昭のデバイス通信」バックナンバー一覧

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