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感情とIoTを融合させた新しいサービスモデルの提案JASA発IoT通信(6)(6/6 ページ)

今回は、一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)で検討を進めてきた感情とIoT(モノのインターネット)を融合させた新しいサービスモデルである「エモーションドリブンサービスモデル」について提案する。

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エモーションドリブンサービスモデルプロトタイプ【2】

 2つ目のプロトタイプは、エモーションカメラを利用し、人の表情(画像)から感情を識別する検証を行った。

 ET展でのデモの内容は、エモーションを検知できるカメラを使用し、表情、年齢、ネガティブ/ポジティブ指数をセンシングし、センシングしたデータにより、60パターン以上の音声出力とアクションをRAPIROが実行するというものである。下記に構成図と、実際のプロトタイプの画像を示す。


エモーションカメラを利用し人の表情(画像)から感情を識別する検証デモの構成イメージ

エモーションカメラを利用し人の表情(画像)から感情を識別する検証デモの様子

 ET 2017のデモにて、来場者の表情を撮影し認識結果を確認したところ、定性的な評価ではあるが、笑った顔、悲しい顔などの表情による感情の識別精度は高いように思われた。しかしながら、わざと表情を変えて撮影することにより、認識結果を意図的に変えることができたため、人の表情(画像)のみでの感情識別は表面的なものとなる。また、認識した結果により、RAPIROが話し掛けることは、来場者の反応がよかったため、コミュニケーションロボットとの相性がよいことが分かった。

まとめ

 感情とIoTを融合させた新しいサービスモデルとしてエモーションドリブンサービスモデルの提案を行った。エモーションドリブンサービスモデルの具体例を考えると、さまざまなサービスモデルが考えられる。エモーションのみをトリガーとしたサービスは、エモーションセンシングが発展途上の技術であるため難しいと考える。しかしながら、エンターテイメント分野などで特定のユースケースに絞り、コンテンツ(サービス)の内容次第では、エモーションドリブンの面白いサービスが生まれる可能性がある。また、既存のサービスにエモーションセンシングの要素を組み合わせることによって、価値の向上が図れる可能性も期待される。

 エモーションWGでは、エモーションドリブンサービスユースケースを検討すると共に、多様なエモーションドリブンサービスユースケースに対応できるように、組込み視点でさまざまなエモーションキャッチセンサーの特性を調査し、エモーションドリブンサービスユースケースの可能性の幅を広げていく。そして、エモーションセンサーフュージョンシステムついてさまざまなエモーションキャッチセンサーの組み合わせを検討していく。

筆者プロフィール

國井雄介(くにい・ゆうすけ)/クレスコ 第二事業本部 エンベデッドソリューション事業部 プロジェクト技術室 ITビジネススペシャリスト

國井さん

 クレスコ入社後、デジタル情報家電の組み込みソフトウェア開発を長く経験。現在は、プロジェクトリーダーとして、カメラ画像認識、オブジェクト認識の研究開発プロジェクトに携わっている。

 また、社内外問わず、技術研究活動にも多く参加しており、JASAでは、2015年12月からIoT技術研究会に参加を開始し、2017年度からは、IoT技術高度化委員会のエモーションワーキンググループのリーダーとして活動している。


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