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中国の半導体政策は「無謀」、各国の警戒も強まる掲げている目標に遠く及ばず(2/2 ページ)

半導体産業の強化に注力する中国だが、目標の到達には計画以上の時間が必要なようだ。資金力をものにM&Aを進めようとする姿勢に対し、警戒を強める国もある。【訂正】

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ファウンドリー事業が好調な時期もあったが……

 SK Hynixは、中国最大規模の工場を保有している。同社が無錫に置くDRAM工場で生産されるメモリの売上高は、2022年に84億米ドルに達する見込みだ。大きく離れて第2位につけるSamsungは、中国国内で3D(3次元) NAND型フラッシュメモリの生産を拡大しており、2022年の売上高は61億米ドルに達するとみられる。

 さらに大差をつけて第3位となっているSMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)は、2022年に46億米ドルを達成する見込みだ。またXMCは、合併買収によってYMTC(Yangtze Memory Technology Co.)に統合されていて、2022年には18億米ドルの売上高を達成し、前回の第8位から今回は第5位にランクを上げるとみられる。

 2006〜2007年に、専業ファウンドリーの世界市場において、中国の専業ファウンドリーが占める割合は13.3%だった*)。McClean氏は、「SamsungやGLOBALFOUNDRIES、Intelなどがシェア獲得に向けて必死に取り組んでいる中で、中国の専業ファウンドリーが今後、13.3%という当時のシェアに戻ることはないとみている」と述べる。

*)現在の割合は、当時の13.3%よりも低い(参考:IC Insights

【訂正:2018年2月6日11時 当初、「中国工場が専業ファウンドリー市場全体に占めていた割合」としていましたが、これは「専業ファウンドリーの世界市場において、中国の専業ファウンドリーが占める割合」という意味です。お詫びして訂正致します。】

 McClean氏は、「メモリ分野では、Tsinghua Unigroupが、YMTCに300億米ドルを投資すると発表している。3D NANDフラッシュだけでなく、最終的にはDRAMの製造も視野に入れているという。しかし、投資は段階的に行われるため、全額が投じられるわけではないだろう。第1段階で行われる投資金額によっては、次の段階には進まない可能性もある」と述べる。


世界半導体の設備投資費の予測 出典:IC Insights(クリックで拡大)

中国に対し、各国が警戒

 同氏は、「例えば中国の半導体企業Fujian Jin Hua Integrated Circuit(JHICC)の製品のベースとなっている、UMCの組み込みDRAMの他、27億米ドルをかけて建設された工場(Innotron)でモバイルDRAM向けに適用されている、ISSIのメモリ技術なども、まだ不十分であると証明されるのではないか」と懸念を示している。

 Micronは、UMCに対し、JHICCとの提携契約の中で特許を侵害しているとして、訴訟を起こしている。McClean氏はこの件について、「今後生じるであろう特許紛争の、ほんの始まりに過ぎない」と述べる。

 また同氏は、「ZTEが以前に、イランにシステムを出荷したことに対し、過去最高となる8億9200万米ドルの罰金を科せられたことや、Tsinghua Unigroupが2015年に、Micronに買収を持ち掛けたことなどを受け、各国政府は警戒心をあらわにしている。中国には、Lattice Semiconductorの買収が失敗に終わっているように、半導体技術を買収できるようなチャンスはもうほとんどないだろう」と指摘する。

 2017年の世界のIC市場は、前年比22%増と異例の高い成長を遂げた。2018年の同市場は、2017年比で8%成長し、市場規模は3939億3000万米ドルに達すると予測される。2017年は、価格の急騰によりメモリ分野が前年比58%増と高い成長を記録したが、2018年は、メモリに加えロジックやアナログなどの分野で各製品が均等に伸びることにより、成長を遂げられる見込みだ。McClean氏は、「2018年の見通しは明るい」と述べている。

【訂正:2018年2月6日11時 当初「2018年の世界半導体売上高」としておりましたが、これは「2018年の世界のIC市場」の誤りです。さらに「8%伸びて、30%を実現するとみられる」としていた箇所は、「2018年の成長率は、2017年比で8%伸びると予測されている」の誤りでした。重ねての訂正をお詫び致します。】


2016〜2018年におけるアナログ、ロジック、メモリ市場規模の実績と予測 出典:IC Insights(クリックで拡大)

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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