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インタビュー

ソフト開発に積極投資するネクスティの狙い合併初年度(2/2 ページ)

豊田通商傘下の半導体/エレクトロニクス商社であるネクスティ エレクトロニクスが組み込みソフトウェア開発体制の強化に積極的だ。2017年10月以降、4社のソフトウェア開発関連企業に出資し資本業務提携を結んだ他、パートナーと共同出資で2つのソフトウェア開発会社を設立した。なぜ、組み込みソフトウェア領域で積極投資を行っているのか、ネクスティ エレクトロニクス社長の青木厚氏に聞いた。

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ODMサービスの提供も視野に

EETJ 一連の投資で、ネクスティの事業はどのように変わっていくのでしょうか。

青木氏 今回の投資で、よりまとまった“固まり”、“ソリューション”を顧客と提供できるようになった。顧客が欲しいと思うIPや技術が豊田通商・ネクスティグループ内で、ほぼ賄えるようになった。実際、ソフトウェアに関する知見が蓄積され、顧客への提案内容がより濃いものになり、顧客側から相談を持ち掛けられることも増え、自信を深めている。

EETJ ソフトウェア開発力と、半導体販売などのハードウェアビジネスとの相乗効果も期待できますね。

青木氏 ソフトウェアとハードウェアでは、それぞれニーズが異なる。ソフトウェアが受注できてもハードウェアが売れるわけではなく、ハードが売れてもソフト開発を受託できるとも限らない。そういった面でも、ソフトウェア事業としてしっかり収益をあげていくことを目指す。

 ただ、自動車市場以外の顧客や、海外の車載機器メーカーの中には、より完成品に近いものを提供して欲しいというニーズが広がりつつある。半導体などのハードウェア商材とソフトウェア開発力、さらには機構設計やモノづくりに関する技術力を高め、ODM(設計製造受託)サービスを提供していきたいと考えている。当然、ODMを提供するには品質保証も重要になる。現在、100人体制の品質担当人員数を、2018年度に160人規模に増やす。特に海外での品質サポート体制を強化する予定だ。

2020年度にはソフトエンジニア2500人体制へ

EETJ 現状のソフトウェア事業の規模は、どのぐらいになりましたか。将来的な目標は?

青木氏 現状のソフトウェア事業の売り上げ規模は、数百億円といったところ。ソフトウェアは、ハードウェア事業に比べ売り上げ規模はどうしても小さく見えるが、収益率は高く、利益面での貢献に期待している。

 ソフトウェアエンジニア数については、合併時の600人ほどから、共同出資会社や出資先のリソースを含めれば1500人体制に拡大した。とはいえ、まだまだ不足感は残っている上、今後もソフトウェア開発ニーズが高まる見込み。ネクスティ本体や共同出資会社で人材を育成増員していく他、さらなるパートナーとの連携も行って、2020年度には2500人規模にまで引き上げたい。

EETJ 自動運転やIoT(モノのインターネット)では、組み込みソフトウェアだけでなく、サーバ、クラウド技術などIT分野の技術も必要になります。

青木氏 サーバなどIT向けについては、豊田通商の別部門が担当している。最近では、デンソーとともにD-Wave Systems社の量子コンピュータを用いたコネクテッドサービスに関する実証実験を開始したり、準天頂衛星「みちびき」活用した高精度ルートガイダンスシステムの実証事業を行ったりしている。豊田通商と連携し、より総合的なソリューションを提供していく予定だ。

 ネクスティとしては、エレクトロニクス商社としての本業の部分を、愚直に、骨太に取り組んでいく。


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