キーサイト、5G商用化で日本と韓国市場を重視:5Gのワークフロー全体を支援(2/2 ページ)
5G(第5世代移動通信)システムは、五輪開催を機に商用化が進む。キーサイト・テクノロジーは、ミリ波技術と限られた開発期間に対応できる計測ソリューションを提供する。
ワークフロー全体を支援するエンドツーエンドのソリューション
さらに、システム設計から研究開発、試作、認証試験、量産まで、5Gの各工程に特化した最適なソリューションを連係させることで、ワークフロー全体を支援するエンドツーエンドのソリューションを提供する。
このため同社は、2017年1月に物理ネットワークおよび、仮想ネットワーク向けテストソリューションを提供するIXIA(イクシア)を、2015年には無線通信の研究開発向けソフトウェアを手掛けてきたAnite(アナイト)を、それぞれ買収した。ネットワークの第1層向け測定器で強みを持つキーサイトは、2社を買収したことで第2層から第7層を含むテストまでカバーしたエコシステムを提供することが可能となった。
さらに、5Gの各工程に対応するOTA(Over The Air)ソリューションを用意した。例えば、RF/アンテナ試験に向けたOTAチャンバーは、3GPPに承認された試験方法「CATR(Compact Antenna Test Range)」に対応している。新たに開発したリフレクターの採用により、従来は17mの測定距離が必要だったFar Field測定を、わずか2mの距離で行うことができるという。
技術セミナーの展示エリアでは、Verizonが研究部門に導入したOTAチャンバーで、試験を行っている模様などをビデオで紹介した。また、IXIAやAniteを買収することで製品群に加わった、「5G NRプロトコルの総合テストソリューション」や「フェージングエミュレーター」などのデモ展示を行った。
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