TDKの可変電源、LANやフィールドバスに対応:高さ1Uで出力5kW
TDKは、「TECNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア)」において、CVCC直流可変電源として薄型19インチフルラックマウント形状の「GENSYS+シリーズ」や、小型で2Uベンチトップ形状の「Z+シリーズ」などの新製品を展示した。
無線LANに対応するZ+シリーズ
TDKは、「TECNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア)」(2018年4月18〜20日、千葉・幕張メッセ)の電源システム展において、CVCC直流可変電源として薄型19インチフルラックマウント(1U)形状の「GENSYS+シリーズ」や、小型で2Uベンチトップ形状の「Z+シリーズ」などの新製品を展示した。
GENSYS+シリーズは、TDK-Lambdaブランドの直流安定化電源である。あらかじめ設定された電圧値や電流値の範囲内で、負荷の状況に応じて定電圧モードあるいは定電流モードで動作する。19インチラック対応のGENSYS+シリーズは、出力が5kWで高さは1U(43.6mm)と業界最小サイズである。効率は90%以上と高く、「従来モデルより6%向上した」(説明員)という。
2台あるいは3台のGENSYS+シリーズを積み重ね、パラレルバスケーブルで接続すると自動的に並列運転の設定が可能で、出力10kWあるいは15kWの電源となる。また、10kWモデルあるいは15kWモデルを1ユニットとした並列モデルも今後、用意する計画である。
GENSYS+シリーズは、通信インタフェースとして従来のRS232C/485などに加えて、LANや各種フィールドバスにも対応する。
Z+シリーズは研究開発用途に向けた製品で、持ち運びに便利な小型軽量のベンチトップタイプ。出力電力は200〜800Wである。無線LANに対応しているため、試験室に複数台のZ+シリーズが設置されている場合でも、離れた研究室などからタブレット端末などを用いて、個別に出力電圧の設定などが可能である。
これらの新製品は、搭載した電子部品の小型化などにより、形状も小さくなった。例えば、「GENSYS+シリーズは体積比で従来製品の約半分、Z+シリーズは約3分の1となった」(説明員)という。
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