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5Gの実証環境、ソフトバンクが企業向けに無償提供「お台場ラボ」をオープン(2/2 ページ)

ソフトバンクは、5G(第5世代移動通信)やIoT(モノのインターネット)を使ったサービスの開発、導入を検討する企業向けに、5G実験機器で技術検証を行えるトライアル環境「5G×IoT Studio お台場ラボ(以下、お台場ラボ)」を、2018年5月18日に東京都江東区のテレコムセンタービル内にオープンする。

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360度カメラや、リアルタイム動線分析を展示、デモルーム

 デモルームでは、360度カメラの映像をVR(仮想現実)用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)に送信するデモや、デモルーム内にいる人の動線をリアルタイムで追跡するシステムなどが披露された。デモルームでは電波を送受信できないので、いずれのデモも、「有線でデータをシールドルームに送り、5G対応アンテナ(基地局)から5G対応端末にデータを送信、それらを再びデモルームに有線で送信する」という形で、5G回線を使っている。

 360度カメラを使ったデモでは、4台のカメラで撮影した360度カメラの映像を、いったん有線でシールドルームに送信。5Gネットワークを経由し、有線で高性能グラフィックPCに送られる。このPCで画像をスティッチングし、HMDに送信する。360度カメラの映像を送る際は、合計で約200Mbpsのトラフィックが発生するので、5Gを使わなければスムーズな送信は難しい。説明担当者によれば、無線区間における遅延は、平均で7〜8ミリ秒。最小では4〜5ミリ秒だという。

左=360度カメラのデモの説明/右=説明担当者が装着したHMDの映像をディスプレイに映しているところ(クリックで拡大)

 動線追跡システムでは、カメラで撮影した映像データは、先ほどの360度カメラと同じように、有線でシールドルームに送られ、5Gネットワークを経由する。このデモでは、処理の遅延の低減や負荷の分散を実現するために、MECサーバが使われていることがポイントだ。

左=リアルタイム動線追跡のデモの説明/右=デモの様子。4台のカメラを使い、4つのエリアに分けて動線を追跡。エリアごとに丸の色を変えて(青、赤、緑、灰)表示している(クリックで拡大)

NDA締結のみで使用可能

 お台場ラボは、主に企業向けの施設となる。ソフトバンクのテクノロジーユニット 技術戦略統括 先端技術開発本部で本部長を務める湧川隆次氏によると、お台場ラボは予約制で開放し、使用するに当たりNDA(秘密保持契約)を締結する必要はあるが、基本的には無償だという。

 ソフトバンクの代表取締役 副社長執行役員兼COO(最高執行責任者)の今井康之氏は、「5Gの商用化は2020年になるとされているが、できるだけ早い時期から準備を進めたいという要望が、企業や行政から既にきている。ソフトバンクとしては、5Gの実証を進めるための環境を提供し、さまざまな企業と、5GやIoTの分野で“共創”を実現したい」と語った。

ソフトバンクの今井康之氏(左)と、湧川隆次氏

 ただ、5Gの標準化は現在も3GPPが行っているさなかだ。湧川氏は、5Gの規格策定が進み新しい機能が追加されれば、それに合わせてお台場ラボのデモの内容や、使用する周波数帯も変わっていくと述べた。

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