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黒字の東芝、メモリ単体で売上高1兆円超え:メモリの営業利益率は約40%に(2/2 ページ)
東芝は2018年5月15日、東京都内で決算説明会を開催し、2018年3月期(2017年度)通期決算および、今後5年間の会社変革計画として「東芝Nextプラン」を策定中であることを公表した。
東芝メモリの売却について質問が集中
決算説明会の質疑応答では、証券アナリストや機関投資家、記者からメモリ事業の売却と、メモリ事業売却後の東芝の成長に関する質問が集中した。
「東芝メモリの売却について、中国当局の認可が得られなかった場合どうするか」との質問に対して、同社会長の車谷暢昭氏は「(認可を得られないといった)ネガティブな情報は現時点で得ていない。譲渡契約解除を前提とした検討は行っていない」と回答した。
「メモリ事業売却後、東芝の稼ぎ頭となる事業は何か」との質問に対しては、「各事業部長が練ってきた事業プランを念頭に、投資すべき分野に投資し収益性を上げていく。メモリ売却で大きな資本が入るため、最も投資効率が良いところに資本を割り当てていきたい」と回答。また、継続事業の課題である売上原価率を改善することにも言及し、「調達、設計、製造、販売まで全てのバリューチェーンを見直し、基礎収益力の強化を図る」(車谷氏)とした。
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