ソニーが中計発表、センシングでも世界一を目指す:イメージセンサーへの積極投資継続(2/2 ページ)
ソニーは2018年5月22日、2018年度(2019年3月期)から2020年度(2021年3月期)までの3年間の中期経営計画を発表した。同計画では、金融部門を除くソニーグループとして3年間で累計1兆円の設備投資を実施するとし、「設備投資の最大項目はCMOSイメージセンサー」(社長兼CEO 吉田憲一郎氏)と半導体事業への積極投資を継続する姿勢を打ち出した。
半導体事業の2020年度営業利益目標1600億〜2000億円
吉田氏はCMOSイメージセンサー事業について「イメージングで世界ナンバーワンを維持し、センシングでも世界ナンバーワンを目指す。センシングにおいては今、決して高いポジションにあるわけではないが、これまで培ってきた、速く読み取る技術、広いダイナミックレンジで写す技術、低ノイズ、高感度を実現する技術といった先進技術は、これからの自動運転のセンシングでも重要な要素となる。われわれ自身は、センシング領域でも貢献できると考えている」と語った。
CMOSイメージセンサーを中心とする半導体事業の2020年度営業利益目標として1600億〜2000億円を設定。また売上高については、2020年度には1兆1000億円程度になる見込みだ。
「ブランデッドハードウェア」と呼ぶスマートフォンやテレビ、カメラなどソニーブランドを冠するエレクトロニクス製品事業について吉田氏は「2017年度の最高益の原動力となった」と評価するとともに、「半導体などに比べ設備投資が少ない事業であり、今後3年においても最も安定してキャッシュフローを生む事業となる。この領域では引き続き、いたずらに規模は追わずプレミアム路線を堅持する」とし、ブランデッドハードウェア領域で2020年度1800億〜2400億円の営業利益計上を目指す。
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