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インタビュー

嫌われ者の“EOL品供給”を使命とするRochesterインタビュー(3/3 ページ)

誰もが嫌う“EOL品の供給”を使命にしている企業がある。Rochester Electronics(ロチェスター・エレクトロニクス)だ。70社以上の半導体メーカーから承認を得て、EOL品、またはEOL品を製造する権利を買い取り、メーカーや商社に成り代わってEOL品をユーザーに提供している。なぜ、EOL品の供給でビジネスが成り立つのか。どういったビジネス戦略を描いているのか。Rochester Electronicsの日本オフィス代表を務める藤川博之氏にインタビューした。

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現行品の供給も

EETJ 現状、事業が競合するライバル企業は存在しますか?

藤川氏 特定の半導体メーカーのEOL品を販売する企業は存在するのは確かだが、70社以上、7万種を超える製品を展開する当社の規模とは懸け離れており、競合だとは認識していない。今後も、競合となるような企業は現れないだろう。

EETJ 半導体商社とは競合しませんか?

藤川氏 EOL品を継続的、安定的に供給している中で、現行品の供給も当社に担ってほしいという要望が一部顧客からあり、現行品を提供するビジネスも行い、現行品供給への引き合いも増えている。現行品を供給することは、半導体商社の事業領域と重複し競合関係になるが、あくまで、当社はEOL品の供給が主体であり、現行品の供給は半導体商社よりも割高になっている。半導体商社も競合ではないと考えている。


Rochester Electronicsは、産業、医療、通信機器市場などに向けて現行品の供給も含めて半導体製品を継続供給するビジネスを展開している (クリックで拡大) 出典:Rochester Electronics

EETJ 70社以上のサプライヤーの7万種以上に上るEOL品を扱っているわけですが、品種を増やせば、増やすほど、売れないEOL品が増えて、採算が合わなくなるように思えます。

藤川氏 以前は、顧客から求められたEOL品を取りそろえるというスタイルだったが、ただ単に求められるものをそろえるだけでは費用対効果が悪くなる。そこで現在は、需要などを見極めつつ、戦略的に替えが効きにくいデバイスの取り扱いを増やしている。替えの効きにくくEOL品が求められるデバイスで分かりやすい例がマイコン。マイコンを代替品に置き換えるとソフトウェアの変更も伴い再設計、再開発の規模が大きくなってしまう。最近では、NXP Semiconductorsの8ビットマイコン、16ビットマイコンのEOL品の取り扱いを拡充したが、国内外で多くの引き合いを得ている。

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