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路面状態を検出可能なステレオカメラ、約2万台を出荷:リコー子会社とデンソーの共同開発
リコーインダストリアルソリューションズは2018年7月23日、路面状態を検出可能な車載用ステレオカメラをデンソーと共同開発したと発表した。
リコーインダストリアルソリューションズは2018年7月23日、路面状態を検出可能な車載用ステレオカメラをデンソーと共同開発したと発表した。
同製品は、3次元画像処理に同社独自のデンスステレオマッチング(高密度視差演算)技術を採用。歩行者や車両、ガードレールなどの障害物検知に加え、路面の細かな凹凸まで認識できることが特長だ。
累計で約2万台の出荷実績
従来のステレオカメラは、エッジ検出を用いた視差演算を行うため、路面の凹凸などを正確に検知することが困難だった。同製品で用いられているデンスステレオマッチング技術は、車両周辺を高密度に3次元で検知できる長所があるが、データ処理が膨大な量となり、車載用途で求められるリアルタイム性に課題があったという。
今回、同社はデータ処理の高速化を施すことで、同技術を採用した車載用ステレオカメラの量産に成功した。これにより、ステレオカメラでの車両が走行可能な路面(フリースペース)検出が可能となったことで、ハンドル制御による障害物回避機能の実現に貢献したという。
同製品は2017年9月より量産を開始しており、生産開始から累計で約2万台を出荷した。デンソーが2017年7月に発表した同製品に関するプレスリリースでは、同製品が同年10月に発売されたレクサス「LS」に採用されることを示していた。
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