東芝、民生・産業向けArm Cortex-Mマイコンの新製品:低電力で高性能のM3Hグループ
東芝デバイス&ストレージは、Arm Cortex-Mコアを搭載した民生・産業機器向けマイコン「TXZ」ファミリーとして、「M3Hグループ」を新たに追加し量産を始めた。
Cortex-M3コアを採用、動作周波数は最大80MHz
東芝デバイス&ストレージは2018年7月、Arm Cortex-Mコアを搭載した民生・産業機器向けマイコン「TXZ」ファミリーとして、「M3Hグループ」を新たに追加し量産を始めたと発表した。
「M3Hグループ」は、Arm Cortex-M3コアを採用している。動作周波数が最大40MHzの標準的な「M3Hグループ(1)」と、動作周波数が最大80MHzでメモリ容量を拡張しパッケージ仕様も豊富な「M3Hグループ(2)」がある。これらの製品群によって、パッケージの端子数は32〜144端子まで13種類をサポート。内蔵するフラッシュメモリ容量は32kバイトから512kバイトまで用意した。応用機器に最適な仕様のマイコンを選択することができる。
M3Hグループは、変換時間が1.5マイクロ秒の12ビットA-Dコンバーターや、8ビットD-Aコンバーターなどの高精度アナログ回路を集積した。これに加えてM3Hグループ(2)は、ブラシレスDCモーターなどのインバーター制御に適した独自のモーター制御回路A-PMD(Advanced-Programmable Motor Driver)を搭載している。これらの機能を搭載したことで、UARTやI2C、TSPI、タイマーなど汎用性の高い周辺回路を搭載しながら、高機能化と消費電力の低減を可能とした。
この他、A-Dコンバーターの基準電圧を確認する自己診断機能、メモリを読み出すごとに誤り検出を行うRAMパリティ機能やCRC計算回路などを内蔵した。電源電圧は2.7〜5.5V。動作温度範囲は−40〜85℃である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 東芝デバイス&ストレージ、エイブリックと提携
東芝デバイス&ストレージは、アナログ半導体専業メーカーのエイブリックと、ミックスドシグナルIC分野において提携する。 - IoT機器の固体認証向け新PUF技術、東芝が開発
東芝は、IoT(モノのインターネット)機器の固体認証を行うための物理複製困難関数(PUF:Physically Unclonable Function)技術を開発。自走ロボットに搭載し、機器間の相互認証が可能であることを確認した。 - 測定距離を2倍に、東芝がLiDAR向け回路技術
東芝は、車載用LiDAR(ライダー)向けの回路技術を開発した。従来技術に比べて測定可能な距離を2倍とし、高い解像度も実現した。より安全で高度な自動運転システムが可能となる。 - 黒字の東芝、メモリ単体で売上高1兆円超え
東芝は2018年5月15日、東京都内で決算説明会を開催し、2018年3月期(2017年度)通期決算および、今後5年間の会社変革計画として「東芝Nextプラン」を策定中であることを公表した。 - IEEE 802.11ax対応の1チップIC、東芝が開発
東芝は、次世代無線LAN「IEEE 802.11ax」ドラフト規格に対応した、アクセスポイント向け1チップICを開発した。 - 東芝、長距離通信と低消費電力が特長のBLE SoCを開発
東芝デバイス&ストレージは、長距離通信と低消費電力を両立させたBLE(Bluetooth low energy)Ver.5.0規格に準拠したSoC(System on Chip)を開発した。