連載
半導体レーザーとシリコン光導波路を接続する技術(前編):福田昭のデバイス通信(158) imecが語る最新のシリコンフォトニクス技術(18)(2/2 ページ)
今回は、光源となる半導体レーザーとシリコン光導波路を結合する技術を解説する。
レーザーと光学系をまとめた超小型モジュール
レーザーと光学系をまとめたモジュールでは、光デバイスベンダーの米国Luxteraが開発した超小型モジュール「LaMP(Laser Micro Package)」が良く知られている。
「LaMP」はInP系レーザーダイとレンズ、アイソレータ、偏光回転子、反射鏡、光ビーム射出孔などで構成されている。外観は、直方体の箱を2つ重ねた形状である。
長方形の箱はいずれもシリコンのマイクロマシニング技術によって製造する。箱の1つは基板であり、レーザーダイやボール状のレンズ、偏光回転子(ローテーター)などを載せる。もう1つの箱は、反射鏡と封止用のフタを兼ねる。
レーザーダイから出た光は広がりつつ進行する。これをボール状のレンズで細いビームにしぼり、反射鏡によって垂直方向に曲げてシリコン基板を通過させる。シリコン基板の表面には無反射コーティングがしてあるので、光ビームは反射せずにシリコン基板を通過し、裏面へと突き抜ける。
「LaMP」は、例えばシリコン光導波路の上に置く。出力光ビームと光導波路の回折格子(グレーティング)の位置を重ねれば、光ビームは回折格子によって折り曲げられて光導波路に入っていく。
(後編に続く)
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