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シリコン半導体用材料、2022年に335億米ドル規模中国半導体工場の新増設が寄与

富士経済によると、シリコン半導体用材料44品目の世界市場は、2022年に335億6000万米ドル規模に達する見通しだ。

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半導体用材料、中国市場に大きなビジネスチャンス

 富士経済は2018年7月、シリコン半導体用材料の44品目について世界市場を調査し、その結果を発表した。同調査によると、2022年には335億6000万米ドルの市場規模になるという。半導体の微細化と多層化、中国半導体工場の新増設などが材料需要をけん引するとみている。

 今回の調査は2018年4〜7月に実施した。対象となる材料は、シリコンウエハーやフォトマスク、フォトレジストなどの前工程材料が33品目、バックグラインドテープ、ダイボンディングワイヤー、IC用リードフレームなど後工程材料が11品目。対象デバイスはモバイル端末用SoC(System on Chip)と3D NAND型フラッシュメモリ、エリアイメージセンサーである。

 調査結果によると、2017年のシリコン半導体用材料市場は、267億6000万米ドルとなった。2018年は284億4000万米ドルと予測した。メモリ製品を中心に半導体需要が増加しているためだ。特に、半導体製造プロセスの微細化と多層化の進展により、露光やエッチング、CMPなどに用いる半導体材料の需要が増える。


シリコン半導体用材料の世界市場 出典:富士経済

 富士経済は、2022年の市場規模が、335億6000万米ドルに達すると予測している。AI(人工知能)システムやIoT(モノのインターネット)機器、車載機器といった用途に向けて、半導体製品の需要拡大が期待される。また、中国における半導体工場の新増設も、半導体材料の市場拡大を後押しする。

注目の4品目

 半導体用材料の中で、同社が注目する4品目についての市場予測も発表した。4品目とは「シリコンウエハー」「トリスジメチルアミノシラン(3DMAS)」「炭化フッ素系ガス」「CMPスラリー」である。

 シリコンウエハー市場は、2017年実績の87億米ドルに対して、2022年は107億7000万米ドルと予測した。2017年に比べて23.8%の増加となる。NANDフラッシュメモリやDRAMの増産などにより、300mmウエハーの需給がタイトである。200mmウエハーも2017年後半より需給にひっ迫感が出てきたという。

 半導体成膜工程に用いられるトリスジメチルアミノシラン(3DMAS)は、低温プロセスで段差被覆性に優れている。NANDフラッシュメモリの3D多層化などに伴い、使用量も大幅に増加する。市場規模は2017年実績の8000万米ドルに対して、2022年には1億2000万米ドルに拡大するとみられている。2017年に比べて50%の増加となる。

 炭化フッ素系ガスで調査対象となるのは「四フッ化炭素」「八フッ化シクロブタン」「六フッ化ブタジエン」「三フッ化メタン」および、「フッ化メチル」である。SiO膜やSiN膜のエッチングに用いられる。微細プロセスの進展によりエッチング工程が増加、多層化によりガス流量なども増えた。この結果、市場規模は2017年実績の5億6000万米ドルに対して、2022年は10億40000万米ドルと予想した。2017年に比べると85.7%の増加となる。

 半導体前工程のCMPプロセスで用いる研磨液「CMPスラリー」も市場拡大が期待される材料の一つだ。NANDフラッシュメモリの3D多層化など、ウエハー1枚当たりのCMPプロセス数が増加する。こうしたことから、市場規模は2017年実績の12億6000万米ドルに対して、2022年は19億2000万米ドルと予測した。2017年に比べて52.3%の増加となる。

 なお、富士経済はこれらの調査結果を「2018年 半導体材料市場の現状と将来展望」としてまとめた。

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