車の検証・テストを包括するパッケージで成長加速へ:Tektronixの自動車事業戦略(2/2 ページ)
Tektronixは2019年から、自動車の開発、製造、保守の各工程における計測/テストを包括し、各工程ので計測/テストデータを連携させることのできる「ソリューションパッケージ」の提供を開始する。同パッケージにより自動車の開発、製造、保守現場で複雑化する計測/テストを簡素化できるとし、自動車市場におけるTektronixの事業規模拡大の柱の製品として投入する。
2019年に新パッケージ製品の提供を開始へ
ソリューションパッケージは、自動車の検証ワークフローをつなぎ目なく、シームレスに連携させるというコンセプトで開発する。例えば、製造やメンテナンス時に発生した障害の原因を特定する際に、システム検証で測定したデータを参照、活用できるといったことが容易に行えるようにする。
2019年から提供をはじめるソリューションパッケージは、「車載ネットワーク検証用」「レーダー・ベースバンド検証用」「パワートレイン検証用」の3種類を用意するという。
例えば、車載ネットワーク検証向けソリューションパッケージは、ECU開発、システム検証、製造・保守の3つの工程それぞれで要求される検証・テスト機能を提供する。ECU開発工程では、物理層チェック、バルク電流インジェクションテスト、事前EMI/EMCテスト、システム品質チャックなどの検証・テスト機能を用意、提供する。こうした各工程で最新の検証・テスト機能を提供しつつ、各工程での計測・テスト結果をシームレスに接続、連携させるソフトウェアパッケージも同時に提供し、車載システム開発における包括的な検証・テスト環境を提供する。
Bose氏は「Tektronixがこうした自動車の検証ワークフローを包括するパッケージを提供できるのは、業界トップクラスのオシロスコープ製品、プロービング技術などを持ち、高い確度と再現性を実現できる技術力があるため。こうした高い技術力をシステムレベルのソリューションとして統合することで、注力市場の1つである自動車市場での事業成長を加速させたい」という。
Tektronixでは、2019年に提供をはじめる3種類のソリューションパッケージを皮切りに、自動車開発に向けたさまざまなソリューションパッケージを順次追加し、「自動車市場の成長を上回るペースで自動車市場向け売り上げ規模を拡大させる」(Bose氏)
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