FPGA時代から脈々と受け継がれる“XilinxのDNA”とは:プラットフォームに舵を切っても(2/2 ページ)
米国でユーザーカンファレンス「XDF(Xilinx Developer Forum) 2018」を開催したXilinx。EE Times Japanは、日本の他のメディアとともに社長兼CEO(最高経営責任者)であるVictor Peng氏にインタビューを行い、Xilinxの方向性や、同社の新しい製品カテゴリーである「ACAP(Adaptive Compute Acceleration Platform)」の定義などを尋ねた。
プラットフォームカンパニーとなっても変わらない、Xilinxの本質とは
――プラットフォームカンパニーへと舵を切ったXilinxだが、“XilinxのDNA”とも呼べるような、当初から変わらない、企業の核となるのは何か。
Peng氏 Xilinxが常に手掛けてきたもの、心掛けてきたものというのは、柔軟性の追求やプログラム可能(プログラマビリティ)であることへの追求だ。そして、それは当初はハードウェア(つまりFPGA)についてのみだった。それがソフトウェアにも及ぶようになったのが、FPGAにArmコアをハードマクロとして集積した「Zynq」である。Zynqはさらに、(All Programmable Logicと呼ばれていた)「MPSoC(Multi-Processing SoC)」へと進化し、そしてACAPの登場へと至った。
ただ、このような、FPGAからACAPに至る過程で、われわれはソフトウェアのプログラマビリティに、より重きを置くようになっている。ハードウェアの設計にそれほど詳しくない顧客でも、カスタマイズされたハードウェアの恩恵を十分に受けられるようにするのが、Xilinxの役目である。
当初から変わらない、Xilinxの核となる部分を集約したのが、私が基調講演で話した、「適応性、順応性のあるインテリジェントな世界を構築する(Building the Adaptable Intelligent World)」というメッセージだ。この言葉には、「シリコン」という文字も「ソフトウェア」という文字も含まれていないことに注目してほしい。
「XDF 2018」の基調講演に登壇したVictor Peng氏。この写真では撮り切れていないが、背景には大きく「Building the Adaptable Intelligent World」と映し出されていた
――Xilinxは、28nm、16nm、今回のVersalの7nmなど、常に最先端プロセスを採用してきた。TSMCが2019年第1四半期にもリスク生産を開始するとしている5nmプロセスについては、採用の予定はあるのか。
Peng氏 TSMCとは密に連携しているし、将来的には5nmプロセスを採用することはあるだろう。だが当面は7nmを採用していくつもりだ。7nm製品は息の長いものとなるだろう。5nmではコストが高過ぎるからだ。ただ、ACAPは、最先端プロセスの採用というよりも、アーキテクチャレベルで拡張性を追求したことで、顧客が開発するデバイスやシステムの高速化や高性能化を促す製品であると考えてほしい。
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