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化合物レーザーをシリコンにモノリシック集積する試み(後編)福田昭のデバイス通信(167) imecが語る最新のシリコンフォトニクス技術(27)(2/2 ページ)

本シリーズ最終回となる今回は、量子井戸半導体レーザーについて解説する。試作したレーザーのテスト結果の他、課題などを紹介する。

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試作したDFBレーザーを光パルスで励起して発振を確認

 励起用光パルスの出力を変化させて、試作したDFBレーザーの光出力がどのように変化するかを実験で測定した。光パルスの出力を上げていくと、あるところ(しきい出力)から、DFBレーザーの光出力が急激に上昇した。しきい出力の値は37mWである。

 励起用光パルスの出力が215mWのときに、DFBレーザーの光出力の波長特性(スペクトル)はかなり鋭いピークを描くようになった。ピーク波長は1028nm、サイドモード抑圧比(SMSR:Side Mode Supression Ratio)は28dBである。光パルスによってレーザー発振を励起できたといえる。

 今後の課題は、電流注入によってレーザー発振を確認することや、信頼性をテストすることだ。将来における研究の発展を期待したい。


試作したDFBレーザーを光パルスによって励起した結果。左のグラフはDFBレーザーの光出力(縦軸、単位は任意)と励起光パルスの出力(横軸)の関係。縦軸は線形目盛り。中央のグラフはDFBレーザーの光出力を対数目盛りに変換したグラフ。励起光パルスの出力が37mW付近で、DFBレーザーの光出力が立ち上がっていることが分かる。右のグラフはDFBレーザー出力の波長特性と、励起光パルスの出力の関係。励起光パルスの出力を増加させると、DFBレーザーの波長特性は鋭いピークを描くようになった。出典:imec(クリックで拡大)

(本シリーズは完結しました。次回からは別テーマとなります)

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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