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米国の対中国政策は“修正”が必要積極投資する中国と協業すべき

ベテランの半導体アナリストであるHandel Jones氏は、中国から戻った際に、米国の技術政治の展開の仕方が気に入らないと不満を示した。

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 ベテランの半導体アナリストであるHandel Jones氏は、中国から戻った際に、米国の技術政治の展開の仕方が気に入らないと不満を示した。

 中国の中産階級は現在、米国の関税やZTEに対する措置について、神経をとがらせている。このため、中国政府が米国から技術面で独立するために投資を行っていることを、熱烈に支持している。

レーガン政権を見習うべき

 Jones氏は、「トランプ大統領は、レーガン政権の戦略を見習い、米国の技術分野への連邦政府投資を大幅に拡大する必要がある。国防総省国防高等研究事業局(DARPA)のERIは優れたプログラムだが、米国には、その10倍または100倍の規模が必要だ」と述べている。

 レーガン政権は、B-1爆撃機や、弾道ミサイル防衛システム(スターウォーズ計画)、GPS(衛星測位システム)などの大規模な技術プログラムに投資を行った。これにより、旧ソビエト連邦に対して、技術的優位性を強化することができた。

 中国は現在、米国を超える多額の資金を投じている。「中国製造2025」(Made in China 2025)イニシアチブの一環として、AI(人工知能)や半導体などのさまざまな分野のプロジェクトに、数千億米ドル規模の資金を投じるプログラムを展開している。

 半導体分野だけに資金を投じるというのは、驚くべきことだ。中国の最大手ファウンドリーであるSMICは、100億米ドルの資金を調達することにより、新しい工場で14nm世代、10nm世代、7nm世代の各微細プロセス技術開発を加速させる予定だという。2021年後半までには、1カ月当たり7万枚のウエハーを処理できるようになる見込みだ。

米国にとってタイミングが悪い、中国の投資

 中国のさまざまなイニシアチブと同じく、SMICに対する大胆な賭けが成功するかどうかは不明だ。SMICは2015年に、ベルギーの研究機関IMECとQualcommとの間で、14nmプロセスを共同開発する契約を締結しているが、今のところまだFinFETプロセスを適用して製造できる段階にはない。

 Jones氏は、「SMICは現在、14nmプロセス以降の技術開発において、台湾のUMCを頼ることになるようだ。既に、TSMCの10nmプロセスチップの売上高が急激に落ち込んでいることから、もう1つ、市場での成功を収めるという難しい課題がある」と指摘する。


画像はイメージです。

 SMICは、中国最大の半導体戦略企業の1社だが、同社の他にも何社か存在する。Jones氏は、「スマートカード向け半導体メーカーであるHuada Semiconductorは、現地の新しいパートナー企業や経営管理者たちとの協業により、28nmプロセス技術を拡大する計画の一環として70億〜140億米ドルの資金を調達することに成功した」と述べている。

 SEMI貿易グループが2018年9月に発表したレポートによると、Huadaの子会社であるShanghai Jita Semiconductorと、China Electronicsは、約51億8000万米ドルを投じて、アナログ/パワー半導体向け200mmウエハーと300mmウエハーに対応した工場を上海に建設するという計画を発表したという。

 またHualiは、上海で事業を拡大している他、Graceは無錫に新工場を建設中だ。Yangtze Memoryは2018年8月に、NAND型フラッシュメモリ市場においてシェアを大幅に拡大するという大胆な計画を発表している。

 中国が行った投資は、米国の半導体業界にとって非常にタイミングが悪かったといえる。

 米国最大の半導体メーカーであるIntelは、10nmチップの開発に悪戦苦闘している。GLOBALFOUNDRIESは最近、7nmチップの開発計画を中止すると発表した。同社は、最も有望視している技術の一つであるFD-SOIへの投資を、ドイツと中国で拡大しているところだ。

 レーガン政権は、旧ソビエト連邦に対して優位に立つべく、遅れずについて行くために自らを破産同様の状態に追い込み、大規模な投資を行った。こうした状況は、豊富な資金を持ち、現在も成長の一途にある中国の場合とは、全く異なる。

 Jones氏は、「米国は、中国政府と国民を遠ざけるのではなく、もっと協力的な手法を採用すべきだ。連邦政府投資を拡大しながら、中国と協業する必要がある」と主張する。

【 翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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