Bluetooth 5.1対応モジュール、アンテナ16個で±5度の精度:Silicon Labsが展示(2/2 ページ)
Silicon Labs(シリコン・ラボラトリーズ)はドイツ・ニュルンベルクで開催中の組み込み技術の展示会「embedded world 2019」(2019年2月26〜28日)で、Bluetooth 5.1に対応したコネクティビティモジュール「Wireless Gecko」などを展示した。
アンテナ16個を搭載したレファレンスボード
Silicon Labsは、アンテナを16個と、Bluetooth 5.1に対応したWireless Geckoモジュール「EFR32BG13」を搭載したレファレンスボードを、一部の顧客に提供している。
Silicon LabsのConnectivity SWでシニアマーケティングマネジャーを務めるMikko Savolainen氏によれば、アンテナを9個搭載したボードも提供可能だという。検出角度の精度は、アンテナが16個の場合は±5度、9個の場合は±10度。位置精度の向上は、アンテナの数というよりも、Locator/ビーコンの数に依存する。当然、多ければ多いほど精度は上がる。
よりボードを小さくするため、アンテナを6個に減らしたバージョンも検討しているという。検出角度の精度については「どうなるかまだ分からない」(Savolainen氏)とした。
位置測位に使える無線通信としてはUWB(Ultra Wide Band)も挙げられるが、Savolainen氏は「コストと消費電力の点で、Bluetoothに優位性がある」と話す。「UWBを使う場合に比べ、Bluetooth 5.1を使うと、消費電力は10分の1から20分の1になる。コストも、例えば追跡タグは、UWBを使うと50〜100米ドルになる可能性があるが、Bluetoothでは5〜10米ドルで実現できる」(同氏)
Savolainen氏は「当社は、Bluetooth SIGと連携を取りつつ、Bluetooth 5.1にいち早く対応した。これまでBluetoothを使った測位は精度が問題だったが、Bluetooth 5.1によって大きく変わる。AppleやSamsung Electronicsのスマートフォンなど、高いシェアを持つスマートフォンがBluetooth 5.1に対応すれば、特に屋内測位の市場は急速に拡大するのではないか」と述べた。
なお、Bluetooth 5.1の方向検知機能は、自動車向けのキーレスエントリーへの活用も期待されている。ただしSilicon Labsとしては、資産追跡と屋内測位の市場をまずはターゲットにすると、Savolainen氏は述べる。「自動車向けに使用するとなると、AEC-Q100などの規格に準拠する必要があり、コストも時間もかかる。われわれとしては、資産追跡と屋内測位の市場だけでも十分な規模になると見込んでいる」(同氏)
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