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日本TI、100V、1A同期整流降圧コンバーターIC:車載用などの電源設計が容易に
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、入力電圧が最大100Vで、最大1Aの直流負荷電流を供給できる同期整流降圧DC-DCコンバーターIC「LM5164」を発表した。
スタンバイ静止電流は10μA
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2019年3月、入力電圧が最大100Vで、最大1Aの直流負荷電流を供給できる同期整流降圧DC-DCコンバーターIC「LM5164」を発表した。従来に比べて産業用や車載用電源の基板占有面積を小さくできるという。車載グレードの「LM5164-Q1」も用意した。
LM5164は、スタンバイ静止電流が10μAと極めて低い。これにより、1mA負荷で24Vから5Vに変換する場合に、軽負荷効率は従来に比べて10%向上するという。また、コンスタントオンタイム(COT)制御アーキテクチャを備え、ハイサイドとローサイドのパワーMOSFETを内蔵した。COTアーキテクチャには、外部補償の必要はない。内部のVccバイアス電源とブートストラップダイオードにより、余分なコンデンサーもいらないという。入力電圧範囲は6〜100Vである。
パッケージは外形寸法が5×6mmの8端子SOIC PowerPADで供給する。このパッケージは競合製品に比べて約30%も小型で、電源回路の占有面積は105mm2で済むという。
1000個購入時の単価はLM5164が1.53米ドル、LM5164-Q1が2.04米ドルである。評価モジュール「LM5164-Q1EVM-041」は75米ドルとなっている。
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